20日は、主に振り返り、27日は新たなテーマについての討議でした。
気になった点と、補足情報を、書き留めておきます。
●マインドマップを、考えるためのツールとして、使う
マインドマップに限らないのですが、便利なツールには、落とし穴があります。
なんとなく、書き込んでも、それらしいものが出来上がってしまいます。
「やった感」
が出るので、そこで満足してしまう、ということです。
これは非常に危険で、本来、考えるためのツールであるものが
「考えないためのツール」
になってしまいます。
発明塾で
「言語化」
を重視しているのは、これが理由です。
自身が考えていることを、ワードなどに
「文章」
で書いていくこと、これが非常に重要です。
「日本語の作文技術」(本田)
大学時代に、繰り返し読んだ本の一つ。
「事実と意見」について、明確に意識するようになりました。
メルマガをお読みの方は、僕が、事実か意見か、できるだけ
明確にしてお伝えしようと心がけていることを
ご理解いただけると思います。
●発明のために情報を読み、整理する際に必要な視点は「課題解決」
事実か意見か、とあわせ、今回指摘したのは
「課題‐解決」
で読み解くこと、です。
「XXXが課題らしいです」
「それどこに書いてあるの?」
「えーっと、書いてはないです」
「じゃあ、なんでそれが課題と思ったの、どこが根拠?」
「えーっと、それは見つけられてないです」
となっていたので、一つ特許を読んでみました。
こういう時、考え方や手法を説明するよりも
「見つけてみせるのが早い」
と思ってます。
同様の理由で、発明が出ない時に発明法を教えるよりも
「その場で(一緒に)発明してみせる」
のがよいと、思ってます。
(教えられるぐらい理解してるなら、発明は出せます)
その後、
「どういう思考回路で、発明が出たか」
を一緒に振り返れば、方法がわかると共に
「(次は)自分ひとりでやってみよう」
という気になってくれます。
(過去、多くの塾生はそうなってます)
脱線しました。
以下、実際に読んでみましょう
●ナビゲーション付きカテーテルの主戦場は「肺」
最終的に、じっくり読むことにした特許はこれです。
(Multi-rigid registration of magnetic navigation to a computed tomography volume)
メドトロニックに買収された、コヴィディエンですね。
脳(ニューロ)カテーテルのTOP企業です。ストライカーとコヴィディエンでTOPを争っています。ちなみに、ストライカーが作っている脳動脈瘤用の
「コイル」
は、評価が高いそうです。日本企業も、まだまだ追いついていないそうです。
コイルのような、材料と製造技術が肝だと思われる分野で、日本企業ままだ追いつけないのは意外です。これを事業機会と捉えるか、どうか、は考え方次第ですね。
また、脱線しました。
塾生さんが、いくつか挙げてくれた特許の中で、これにした理由は、いくつかあります。
「コヴィディエン」
「関連特許の出方(発明者を追う)」
「アプリケーション寄りの情報が豊富か(課題を読む時に重要)」
など、が今回選定した理由の主なところです。
目的により、どの特許を選ぶかは異なります。僕の場合、なにか(既成の)基準に当てはめているわけではなく、その場で考えて、合理的な基準を決めています。
特許情報の探し方、読み方については、以下
「特許情報活用」
投資セミナー動画を繰り返し見てもらうのが良いと思っています。また、塾生さんは、手伝って貰える場合は参加無料ですので、どんどん参加してください。
投資セミナーと言ってますが
「発明は投資」
ですし、そもそも、投資であろうが何であろうが
「機会(チャンス)発見のための特許の読み方である限り、原理原則は変わらない」
ので、しっかり勉強してください。
動画に関しては、より多くの方にご覧いただけるよう、最低限の価格にしています。
(動画編集などのコストが掛かるため、有償ではありますが)
より体系的に学びたいひとは、以下講座で。
結局のところ、僕は、特許を
「分析しながら検索している」
のです。分析の基礎知識があれば、検索だけで、ある程度目星は付きます。
ここが味噌です。
また脱線。
特許を読むと、以下のように書かれていました。
長いですが、重要ですので抜粋しておきます。
==引用ここから
[0004]
Bronchoscopes, however, are limited in how far they may be advanced through the airways due to their size. Where the bronchoscope is too large to reach a target location deep in the lungs, a clinician may utilize certain real-time imaging modalities such as computed tomography or fluoroscopy. CT or fluoroscopic images, while useful, present certain drawbacks for navigation as it is often difficult to distinguish luminal passageways from solid tissue. Moreover, the images generated are two-dimensional whereas navigating the airways of a patient requires the ability to maneuver in three dimensions.
0027]
Due to the flexibility of the lungs, the actual shape of the lungs during the time of a surgical procedure can be deformed or different from the shape at the time of the CT scan and/or initial registration, resulting in the reduction of the navigation accuracy. This deformation due to the flexibility of the lungs may be due to several differences, such as: (1) the CT scan being performed while the patient is holding her breath after a full inhale, whereas during the surgical procedure, both registration and navigation, the patient is sedated and breathing normally; (2) the patient may be horizontal for a much longer period during the surgical procedure thereby causing increased deformation; (3) during the surgical procedure, while the bronchoscope is inside of the patient, the head, neck, and superior part of the chest may also become deformed; and/or (4) often the CT scan is performed on a concave bed while the surgical procedure is generally performed while the patient is lying flat.
==引用ここまで
僕は、これを読んで理解しました。
「なるほど、だから、肺なのか」
と。
なぜ、肺にカテーテル術が必要であり、そのために、専用のナビゲーション技術が必要なのか、ここを読んで、理解しました。
ここまで、特許を読み始めてから5分以内です。
(塾生さんは、もっと短く感じたかもしれません、実際は3分程度ではなかったかと思います)
どこをどう読むかが大切、とは、こういうことです。
「こういうことが、このへんに書いてあるはず」
という仮説を持って読むことが大切だ、ということです。
参加した塾生さんは、再度、自身なりに振り返り、読んでみてください。
同じように、短時間で見つかるか、見つけるにはどうすればよいあ、何が違うか、何が足りないのか。
ちなみに、医学の知識ではありません。僕より専門家である(べき)塾生さんが、そこにいましたからね。
楠浦 肺(いや、拝)
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