今週は2回の開催となりました。
●知財と企業価値 ~ 知財は、どの程度企業価値向上に寄与するか
1回目は、OBの橋本さんの持ち込みで
「知財が、どの程度企業価値を向上させるか」
について、米IoT系スタートアップのデータを元に、調査を議論を行いました。
これはもともと、橋本さんが関心を持って独自に調べておられたことですが、僕も非常に関心がある内容であるため、
「発明塾で議論しましょう」
となったものです。
ここで企業価値は、時価総額としています。
スタートアップ系企業を対象とし、M&A価格、あるいは、IPO時の株価から算出することにしています。
前職のナノテクスタートアップ時代、僕は、毎週アイデア創出会議をおこない、少なくとも毎月一件、武器になる特許を出願することにしていました。投資家から、
「特許大丈夫ですよね」
と度々確認されていたこともありますし、そもそも、海外の競合企業がかなり手強い特許を次々に出してきていたので、
「交渉力」(相対的知財力の確保)
確保のためにも、積極的に出願しよう、という方針にしていました。
知財戦略に明るくない人のために簡単に説明すると、競合の特許を完全に回避することは不可能であるため、こちらとしても、相手が侵害する可能性がある特許を持とう、ということです。
ちなみに、
「交渉力」(相対的知財力の確保)
の話は、以下講座で詳細に取り上げているので、わからない人は各自で受講し疑問点を解消しておいてください。
(知財戦略(1))
この講座を受ければ、キヤノンやクアルコムの知財戦略について、きちんと理解できるようになります。
(キヤノンの特許、および、知財戦略について、事例として取り上げています)
適切な特許の取得が、企業価値を向上させることは間違いないと考えています。それがどの程度か、について、今後も分析を行っていきます。
知財戦略の巧拙についても、新たな事例が得られるかもしれません。
「特許価値戦略」(呉 秉錫)わけあって、今、読んでます。
今回の橋本さんテーマは、一つ一つの特許の価値は評価しません。
ですが、背後には、一つ一つの特許がどのようなものか
という視点があることも、忘れないでください。
●発明提案書の書き方(続き)
今回も
「課題の書き方」
を中心に、説明と討議を行いました。
該当する内容を扱った講座は、以下になります。
(発明提案書のための発明の把握法~日々の研究成果/実験結果を「良い権利」に!)
発明提案書を書く際、考えるべきことは
「課題ー解決手段ー効果」
のつながり、言い換えると
「論理づけ」
です。
この論理づけを適切に行えれば、
「特許を取得できる可能性は、飛躍的に高まる」
と、僕は、日米への数百件の出願と、その中間処理を通じ、感じています。
先行技術との比較から、解決手段を決め、それが解決している課題を定める。
その論理付けに
「効果」
が出てくる。このような、
「特許になる発明提案の流れ」
を知らずして、
「発明を、良い特許にすること」
は不可能です。
今回は、そこまで求められていませんが、自身のアイデアの競争優位がどこにあるかを確認する意味でも、この作業は重要です。
発明提案書を書きながら、発明の本質を見極め、発明を仕上げていく。
そんなイメージで、お願いします。
楠浦 拝
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