「発明塾®」へようこそ!: 知財はどの程度企業価値を向上させるか?/発明提案書の書き方(続き)~発明塾第479回/発明塾第480回

2019年4月18日木曜日

知財はどの程度企業価値を向上させるか?/発明提案書の書き方(続き)~発明塾第479回/発明塾第480回

今週は2回の開催となりました。


●知財と企業価値 ~ 知財は、どの程度企業価値向上に寄与するか

1回目は、OBの橋本さんの持ち込みで

「知財が、どの程度企業価値を向上させるか」

について、米IoT系スタートアップのデータを元に、調査を議論を行いました。

これはもともと、橋本さんが関心を持って独自に調べておられたことですが、僕も非常に関心がある内容であるため、

「発明塾で議論しましょう」

となったものです。

ここで企業価値は、時価総額としています。

スタートアップ系企業を対象とし、M&A価格、あるいは、IPO時の株価から算出することにしています。

前職のナノテクスタートアップ時代、僕は、毎週アイデア創出会議をおこない、少なくとも毎月一件、武器になる特許を出願することにしていました。投資家から、

「特許大丈夫ですよね」

と度々確認されていたこともありますし、そもそも、海外の競合企業がかなり手強い特許を次々に出してきていたので、

「交渉力」(相対的知財力の確保)

確保のためにも、積極的に出願しよう、という方針にしていました。

知財戦略に明るくない人のために簡単に説明すると、競合の特許を完全に回避することは不可能であるため、こちらとしても、相手が侵害する可能性がある特許を持とう、ということです。


ちなみに、

「交渉力」(相対的知財力の確保)

の話は、以下講座で詳細に取り上げているので、わからない人は各自で受講し疑問点を解消しておいてください。

(知財戦略(1))

この講座を受ければ、キヤノンやクアルコムの知財戦略について、きちんと理解できるようになります。
(キヤノンの特許、および、知財戦略について、事例として取り上げています)


適切な特許の取得が、企業価値を向上させることは間違いないと考えています。それがどの程度か、について、今後も分析を行っていきます。

知財戦略の巧拙についても、新たな事例が得られるかもしれません。


「特許価値戦略」(呉 秉錫)わけあって、今、読んでます。
今回の橋本さんテーマは、一つ一つの特許の価値は評価しません。
ですが、背後には、一つ一つの特許がどのようなものか
という視点があることも、忘れないでください。




●発明提案書の書き方(続き)

今回も

「課題の書き方」

を中心に、説明と討議を行いました。

該当する内容を扱った講座は、以下になります。

(発明提案書のための発明の把握法~日々の研究成果/実験結果を「良い権利」に!)


発明提案書を書く際、考えるべきことは

「課題ー解決手段ー効果」

のつながり、言い換えると

「論理づけ」

です。

この論理づけを適切に行えれば、

「特許を取得できる可能性は、飛躍的に高まる」

と、僕は、日米への数百件の出願と、その中間処理を通じ、感じています。


先行技術との比較から、解決手段を決め、それが解決している課題を定める。

その論理付けに

「効果」

が出てくる。このような、

「特許になる発明提案の流れ」

を知らずして、

「発明を、良い特許にすること」

は不可能です。


今回は、そこまで求められていませんが、自身のアイデアの競争優位がどこにあるかを確認する意味でも、この作業は重要です。

発明提案書を書きながら、発明の本質を見極め、発明を仕上げていく。

そんなイメージで、お願いします。


楠浦 拝




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