「発明塾®」へようこそ!: 発明塾京都第164回開催報告

2014年1月25日土曜日

発明塾京都第164回開催報告

今週は、試験期間前/論文提出前ということもあってでしょうか?少なめの人数で開催しました。

既に告知しているように、今月で今のテーマは終わりですので、発明提案書(Solution Report:注)の仕上げ作業を急ぎましょう。

ほとんどの大学生の提案する「発明」が、僕が「小学生の夏休みの工作」と呼ぶ、「単なる寄せ集め」発明になってしまう理由の一つは、特許要件になっている「進歩性」が理解できていないからです。


進歩性を理解するには、自分の発明の「解決している課題」「解決手段の構成要素」「効果」を整理し、先行技術と厳密に比較し、どこに発明の本質があるのかを抽出し、それを中心に技術思想として再構成する作業が必要になります。

それは、誤解を恐れずに言うなら、ある人物の映った写真を切り刻んで再構成し、キュビズム時代のピカソの絵のようにする作業です。ある種の「アート」だといえるでしょう。

もっとも、ピカソほどのものを求めているわけではありませんので、適切なトレーニングを行えば、大半の人がこの能力を身につけられることが、僕には分かっています。


偉大な芸術家の著書、素描から、偉大な作品を
完成させるのに必要な技術を「リバれる」かどうか

あとは、地道にそのトレーニングを行うかどうかだけでしょう。一見「味気ない」基礎的なトレーニング/スキル習得を、どれだけ計画的かつ自主的に実行するかが、問われているわけです。例えば、なんらかのスポーツで成果を出そうとした経験があれば、判るはずです。

「発明」が、脳という「体」の使い方である以上、各種スキルを順序良く積み上げていくことと、それぞれのスキルを常に向上させていくこと以外に、上達の道はありません。


そして、各自が塾に「来ていない時間」の過ごし方次第で、塾の時間がより充実したものになるかどうかが、決まります。

次回は、春休みに取り組むテーマについての説明会を兼ねます。発明提案書が仕上がっていない人は、当日までに仕上げ、気持よく次に進めるようにしましょう!



※ 注) 「ここで言う」発明提案書は、「思いつきのメモ」でも「面白い技術の紹介」でも「興味深い発見の報告」でもありません。「こういう技術思想を、このように権利化すれば、武器として役立つのではないでしょうか?」というものでなくては、ならないのです。