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2013年9月13日金曜日

発明塾京都第146回開催報告~「他を活かす」

今回も、各自のアイデアを討議し、併せて、「発明塾式」発想法の重要な部分を占める、「知財戦略/標準化戦略」の考え方について、復習しました。

繰り返しですが、「知財」の知識無しに発明をすることは、「単なるアイデアの垂れ流し」以外の何物でもありません。保護されない発明を創出(?)することは、無意味というよりは時間の無駄で、「有害」です。


また、今回から一名、一度挫折した塾生さんが復活してくれました。本人が「なぜ挫折したか」を判っていることが重要ですし、それがわかっていれば、少なくとも同じ事態を避けられる可能性は、高いと思っています。

発明塾を通じて僕自身も学び、また、塾生に学んで欲しいことの一つに「他を活かす」こと、があります。

「他を活かすことが、自分が生きる道である」

ということです。これは、僕が取り組んでいる「教育」という職業もそうですし、「経営」もそうですが、おそらく、あらゆる活動についてまわることだと思っています。

「他人の活躍と幸せを、自分の幸せに出来るかどうか」

これが、僕が塾生に求めていることです。自分が発明が出来るようになるためには、討議してくれるメンバーが必要だからです。そのためには、「相手も、自分と共に発明が出来るようになる」必要があり、むしろ「相手の発明を手伝う」ことから、学ぶ必要があるのです。

「自分に出来る事は何か」
「相手が出来ている事は何か、足りない部分はなにか」
「それを、自分はどう補完することが出来るのか、出来ないのか」
「出来ないなら、あと、誰に手伝ってもらえれば良いのか」

発明塾では、このようにして発明討議を進めていくことを、指導しています。これは、ちょっとビジネス書をかじったぐらいの学生や、チャラくて薄っぺらい社会人がよく言う、

「あなた/あなたの会社にしか出来ない事は何か」
「あなた/あなたの会社の独自性は何ですか」

という議論とは、似て非なる。むしろ、対局にあると言っても良い。


前者は、

「総ての存在は、存在固有的に不完全であり、それを組み合わせ/補い合うことが、重要である」
「自分の欠点を、補う存在が重要である」

という姿勢であるが、後者は、

「自分は完璧である。あなたには何が出来るのか。あなたにしか出来ないことが無いなら、価値を認めない」

という、姿勢である。


僕が、「経営」という仕事が面白いと思う理由は、発明と同じで、「組み合わせの妙」があるからだ。「他を活かす」ための工夫。自分を活かす相手は誰か、その相手を活かすにはどうするか、この組み合わせを強化出来る次の人材は、一体どこにいるのか。

それが経営である。


そして、

「未だ見つけられていない組み合わせで、技術に新たな価値を見出す」

のが、発明である。


それは、薄っぺらい「ビジネス書的勉強」/「ビジネスプランコンテスト合宿的」付け焼き刃、では得られない。

中途半端な活動は、むしろ害にしかならない。やるなら、徹底的にやること。

復活した塾生の「勇気と覚悟」に、エールを送りたい。でも、もう後はない。


がんばれ!


2013年9月8日日曜日

「計画的に勉強する”仕掛け”をつくる」~塾長の部屋(49)

大学生は、夏休みも後半になっていますので、勉強法について復習しておきましょうか。

「夏休みに勉強します」

と宣言していた学生も、結構多かったですからね(笑


さて、以前もどこかで書いた気がしますが、僕の勉強法を、整理しておきましょう。

①目標を定める/できれば身近な人をベンチマークにする
②3ヶ月を単位とする/本なら3冊が目安
③すぐにアウトプットする

この辺りでしょうか。一つづつ行きましょう。これは、大学生はもちろん、社会人になって時間が限られてくると、特に威力を発揮します。


①目標を定める/できれば身近な人をベンチマークにする
目標については、度々言っていますが「まずは決める」事が重要です(注1)。例えば僕が、社会人になって最初に決めた目標は、

「30歳までに、機械設計者として、独り立ち出来るレベルになること」

でした。今から考えると、測定基準が曖昧で、いい目標設定とは言えない気がしますが、身近な先輩をベンチマークにして、「あの人ぐらいかな」というものは持っていました。

結果的には、入社2年で、新機種エンジン開発の「実質上の」取りまとめ(係長相当)を担当することになり、その仕事を通じて、3年目ぐらいで、目標は達成されました。ラッキーでしたね。

具体的に日々どのように、「勉強」?に落としこんでいたかは、次で説明します。


また、コマツ時代には、当時の上司に

「目標とする設計者を決めて」
「その人のスキルを因数分解し」
「それぞれに対して、今何%で、毎月何%に向上させていくのか」

を、表にしろと言われました。当時のものではないですが、こんな感じです。




毎月、その表を元に「面談」して頂き、仕事内容の調整などをしていただいたこと、今でも非常に感謝しています。なんだかんだ言って、

「良い上司に恵まれたこと」(注2)

が、僕が継続的にスキルを向上させることが出来た、大きな理由のようにも思います。


②3ヶ月を単位とする/本なら3冊が目安
これは大学時代からやっていたことですが、具体的な目標を決めると、

「それを、必要な要素に因数分解し」
「3ヶ月を単位として」
「それぞれ、最低3冊、読む本を決める」

ことにしています。そして本は「決めた時に、まとめ買いする」(注3)ことにしています。

この方法は、その後も僕の部下になった人には、常に指導していますが、自分で自分の勉強が計画できる人が、意外と少ない気がしますね。逆に言うと、「計画ができれば勝てる」というところでしょうか?

皆さんも是非、試してみて下さい。


③すぐにアウトプットする
ここが一番重要かもしれません。すぐに必要にならないものは、結局身に付かない気がします。というか、身についたかどうか判断できない、と言うべきかもしれませんが・・・。

この辺りをクリヤーするために、僕が、タマに裏技として使うのは、

「資格試験を受ける」

です。因数分解で困るときにも、これを使います。目的は「資格をとる」ことではなく、「資格が取れるぐらい、理解を深め、アウトプットを出せるようにする」ことに置きます。

実際、30前後で「経営について勉強しておきたいよね」となった時に、もう少しコストの高い、

「学校(海外のビジネススクール)に行く」

という選択肢も検討しましたが、「手頃な資格(中小企業診断士)」を見つけたので、テキストを買って一通り勉強し、受験することにしました。試験自体は手頃な難易度のものでしたし、あの程度のコストで、マクロ経済学や財務会計など、視野を広げることが出来たのは助かりました。さすがに、「何のアウトプットの機会も設定せず、自習する」というのは、僕の自己管理能力では、無理だったと思います。

どちらかと言うと、

「アウトプットせざるを得ない場を設定して、それに向かって計画を立てる」

が正しいかもしれませんね。

「出来るようになったら、やります」

は、沈没する人の典型的な口癖ですよね。


以前も「大学時代に身につけておくべきことは勉強法」(注4)と説明した通り、しっかりした勉強法を身につけていれば、社会に出ても、新たな知識やスキルを、ブレること無く継続的に身につけることが出来ます。

残り少ない夏休み。

成果が出ていない人は、やり方を見なおしてみては?



※ 注1) 以下参照
・発明塾京都第145回開催報告~「なんでもよいから目標を立てよ」
 http://edison-univ.blogspot.jp/2013/09/145.html

※ 注2) カワサキ時代の上司は、一般的には「どうかな???」と思う上司ではありましたが、結果的には、その方が上司として「???」だったからこそ、「大きなチャンス」が巡ってきました。結局のところ、困難な状況というのは誰にとっても困難なので、その中で「頭一つ抜け」れば・・・。

※ 注3) 資料は常に手元にないと、効率が悪いんですよね、結局。例外的に、会社にある非常に高価な資料集などは、会社の図書館に夜中まで篭って、読んだりしていました。

※ 注4) 以下参照
・立命館大学「発明講義」最終回を迎えるにあたり~何を学ぶべきだったのか
 http://edison-univ.blogspot.jp/2013/01/blog-post_11.html


2013年9月6日金曜日

発明塾京都第145回開催報告~「なんでもよいから目標を立てよ」

今回も、各自のアイデアを討議しました。これまた繰り返しなのですが、発明において、最も重要なことの一つは「自分のアイデアに、こだわらない」ことだと思います。

パッと思いついたことに、いつまでもこだわって、こねくり回す人がいます。殆どの場合、そのアイデアもモノにならないし、発明法も身に付かない。残念ですね。

僕は、「発明は詰将棋だ」と思っています。

与えられた状況(初期の着想)から、「最終目的(詰め)」に向かって、論を進めていくわけです。

だから、スタート地点のアイデアは、極論すると誰のどんなアイデアでも良いわけです。既存の先行技術でも、全然構わない。はっきり言って、2-3時間のブレストで出る程度のアイデアは、調べれば近い先行技術が出てきますから、後生大事にしても仕方がない(注1)。

重要なのは、「それを起点に、どこまで練るか、詰めるか」なのです。

もう一度言います。

「重要なのは、”どこから” ではなく、”どこまで”」

そのために、一連の「発明塾式」の発明プロセスを組んでいるわけなので、基礎を疎かにせず、また「今やっていることは、何のためなのか」「次どうするのか」常に考え、進めるようにして下さい。


僕が大学生と社会人の最も大きな違いと考えるのは、この「目的意識と具体的目標」です。大学生の大半は、「目的・目標を定めず」「スタート地点付近の、”ちょっと面白い”?ことにこだわって」勉強し、4年間(もしくはそれ以上)を過ごしますが、社会人ではありえないことです。

実際の所、「目標はなんでも良いから、とにかく立てることが重要だ」と、僕は考えます。スタート地点で、無駄に、そして興味本位でウロウロしないためです。

例えば、僕の知人で「30歳までに一軒家を建てる(ぐらいのお金をためる)」という目標設定をしていた人が、いました。彼はその具体的な目標に向かって、友達付き合いなどをコントロールし、見事にその目標を達成していました。

彼にとっては、仕事も、そのための一手段だったのではないかと、思います。一軒家が立てられるお金(具体的目標)が貯まるように(目的)、働こう(手段)、と。

目標は、なんでも良いと思います。

「違うな」と思ったら、変えればいいので(注2)。

・XX装置を開発したい
・一軒家を建てたい
・資格を取りたい
係長になりたい

測定可能なものであれば、何だって良い。

「正しい目標」「達成可能な目標」を立てようとか、評価基準を入れると、殆どの人が「目標すら立てられなく」なってしまう。極論すると、「正しい」とか「達成可能」は結果論なので、

「とにかく目標を決めて進める」(主観)
「定期的に見直す」(客観)

と、ネガポジの制約条件を分けることです。一般的に、大学生はこれが極端に不得手です。以前取り上げた「設計論」にある「フィードバックプロセス」(注3)が、できないのです。「主観と客観の切り替え」が甘い、もしくは「客観が無い」のが、主な理由だと思いますが。

「とにかく山に登ることが重要」で
「違うと思えば降りればいい」

のです。登らないとわからないこと、がありますから。


最後に、前回(注4)の続きの情報を、塾生さんが共有してくれましたので、卒業生にも共有しておきます。

・「零戦 その誕生と栄光の記録」堀越 二郎 著

からの「写経」です。

「技術者の仕事というものは、芸術家の自由奔放な空想とはちがって、いつもきびしい現実的な条件や要請がつきまとう。しかし、その枠の中で水準の高い仕事をなしとげるためには、徹底した合理精神とともに、既成の考え方を打ち破ってゆくだけの自由な発想が必要なことも、また事実である。
与えられた条件がどうにも動かせないものであるとき、その条件の中であたりまえに考えられることだけを考えていたのでは、できあがるものはみなどんぐりの背比べにすぎないであろう。私が零戦をはじめとする飛行機の設計を通じて肝に銘じたことも、与えられた条件の中で、当然考えられるぎりぎりの成果を、どうやったら一歩抜くことができるかということを、つねに考えなければならないということだった。」p.225

「人間は負けるべく宿命づけられている。
だが、負ける瞬間までは、
勝負を投げずに戦うべきだ」
ヘミングウェイ


設計において、要求仕様は「ネガポジ」両方ありますが、それらを「パズル」のように組み合わせて一つの「モノ」に仕上げていく、そんな仕事が、設計です。


はっきり言って、めちゃくちゃ面白い仕事です。


※ 注1) 僕は、ブレストが面倒なときは、先行技術調査で代替します。そういう意味でも、発明には「検索」「分析」能力が重要、だと思っています。「自分の頭」に頼っていては、限界がありますから。まぁ、調べればいい発明が出る、というほど甘い世界でもありませんが・・・(必要十分条件の話)。


※ 注2) そのためにも、常に目標・目的を意識し、それを見なおす時間を取ることが重要です。詳しくは「7つの習慣」で。


※ 注3) 「設計」に関する記載は以下。

・発明塾京都第144回開催報告~再び「設計」論
 http://edison-univ.blogspot.jp/2013/08/144.html
・塾長の部屋(40)~「設計」と「発明」が持つ「アート的」面白さ 
 http://edison-univ.blogspot.jp/2013/04/blog-post_7.html

※ 注4) http://edison-univ.blogspot.jp/2013/08/144.html 参照




2013年9月1日日曜日

「”自分の信じる所”を追求すること」~塾長の部屋(48)

金曜日に、弊社定例の「知的財産セミナー」を、開催いたしました。出席いただきました皆様に、篤く御礼を申し上げます(と言っても、このブログは読まれないと思いますが・・・)。
セミナー関連記事は、以下。

・塾長の部屋(46)~「特許情報分析官」のススメ

http://edison-univ.blogspot.jp/2013/08/blog-post.html


さて、そのセミナーに関連しつつ、いくつかの話題を「タイトル」に従って、まとめておきたいと思います。今日の主題は「自分の信じるところに従え」ということに、なるかもしれません(注1)。しかも、基本的に、自分の信じるところに、説明は不要です。


「その理由を説明していては一日が終わってしまう」 (注2)


からです。説明したからといって、何が変わるわけでもありません。丁度セミナー後の打ち上げで、メンバーの一人が、


「色々情報を発信すると、批判されることも多い」


というようなことを、話していました。僕がそこで話したことが、上記/下記です。


「自分の信じるところに従えば、問題ないんじゃないかな」


相手がどうのこうの、ということも関係なく、ただ淡々と「自分の信じる所に従い」「自分の仕事をする」ことだと思います。そうすれば、もっと「強くなれる」と思います(注2)。ただ、僕がこの境地に達したのは「30を少し過ぎてから」ですので、20代の「若い」人には、少し早いかもしれません。


「そういうもんかな」


と思ってもらえれば、良かったかなと思います。



塾生さんに、佐川氏の話をいつも推してくれる人がいます。
よい研究の条件=「目的が大事」


実は僕自身も、この会社を経営していて、また「発明塾」を運営していて、様々な「ご意見」を頂きます。いくつかエピソードを紹介しましょう。弊社も6年目を半ば過ぎ、メンバーも10名を超えて、毎年増え続けている中、まぁ、「時効」であり、「笑い話」の範疇です(笑。



1)「クズ発明」を「売りつけている」発言 事件

似たような事は、何度か体験しているのですが、最も「インパクト」があった事件を紹介しておきましょう。

ある企業の「取締役/CTO 研究開発本部長 研究所長」の方に、御面談いただいた際のこと。あくまでも情報交換ということで、弊社の事業や「発明塾」の取り組みについて紹介した後に、その方の口から出た言葉です。


「つまりあなたは、大学生のクズ発明を、そのファンドに売りつけている、ということですね」


僕がその場で、コーヒーカップを投げなかったのは、「奇跡」に近いでしょう(笑。その後すぐに席を立ちましたので、その方の真意は不明ですが、どんな理由があれ「言っていいことと悪いこと」があるかな、と、改めて感じました(注3)。



2)「注文を握りつぶしていた営業マン」 事件

これも、おそらく似たようなことが日々起こっていると思っていますが、典型的な例で、かつ、僕自身が知ることが出来た例ということで、紹介しておきます。

ある日、その営業マンとあるクライアントを訪問しました。そのクライアントの担当者には、割と興味を持って頂き、その後も度々資料を提供していましたが、そのうち連絡が来なくなりました。営業をしていれば、それはよくあることなので特に気にしていなかったのですが、別の機会に、その「営業マン」と、たまたま「飲み」に行った帰りのこと。


「こんな小さい会社に仕事を頼むのは、信用出来ないし、危険過ぎる。だから、営業に回った先から注文が来ているが、やめておいた方がいいと、言って断ってある。」


つまり彼は、「ことごとく注文を握りつぶしていた」わけです。いったい彼が、何がしたかったのか、いまだによくわかりませんが、「ああ、そういう風に見られているんだな」ということを、改めて感じたという意味では、大いに得るものが有りました。これも、小さな会社を経営している経営者の方は、常に感じていることだと思います。


「敵は意外と身近なところにいるんだな」


ということも、学びました。同じようなことで、「ただ働き」を強要されたことも、有りました。さすがに最近は、あからさまにそういうことはありませんので、「時間が解決してくれる」ということかもしれませんが、単に僕から見えていないだけ、という気もしています。人間の本質は、基本的に変わりませんから。



この2つのエピソードには、共通点があります。それは、


「では、あなたは、何がしたいんですかね」

「そして、そもそも、自分は何がしたいのか」

ということです。1)の事件について言えば、僕は、


「世界の発明者に提示された難問に、大学生が挑む」ことを通じて、「成果を出しながら学ぶ」という場を継続していこうという、挑戦をしているわけです。我々が発明を提案している先は、いずれも非常に厳しいコンペですので、「売りつけ」たからといって、売れるわけでもないと思います。


僕自身の経験として、「専門知識」を「掘り下げて」学ぶだけでは十分ではなく、特に工学系の学生にとって重要なのは、


「それらの専門知識(群)が、どのような問題を解決してくれるのか」


について、実践を通じて考え、学ぶことだと感じています。大学院で「エネルギー科学」を学ぶことで、このことを痛感しました。僕はそれを、


「総合工学的なアプローチ」


と呼んでいます。「専門知識内の課題を解決する」のではなく、「その専門知識を、他の知識と組み合わせて、もっと上位の問題を解決する」ことです。しかしそのためには「軸になる専門知識の習得」「その分野を極めることで、他の分野に通じる」事が必要になります。


実際、一部の発明塾生の中には、


「発明塾に来たことで、専門知識の重要性を痛感」し、「専門の勉強に集中するために、一時的に塾を休みたい」


と言う学生もいます。それはそれで、大いに結構なこと、と思っています。重要な事は「自分が将来直面する問題を解決出来るだけの、十分な能力を、大学時代に養っておく」ことに、如何に集中できるか、なのですから。「だれかにとやかく」言われてやることでもなければ、「流行り」でやることでもないのです。



発明塾に参加してしばらくすると、学生のほとんどが、以下の3つが「大学時代に身につけるべき能力」であることを理解します。


①批判的検証能力、つまり、「クリティカル・シンキング」

②軸になる専門領域の設定と、徹底的な深堀り
③「総合工学」的アプローチ

①はすでに、ゼッタミスタ、Globis 等の参考書を、紹介済みですから良いでしょう。

②は、例えば楠浦の例で言うと、「金属材料の疲労強度」に関する領域がそれにあたりますが、修士で行った研究は、英国材料学会で優秀論文として取りあげていただきました。やるならそれぐらいやりましょうよ、ということです。
③これも、上記で説明済みです。

残念ながら(?)、これから自分たちが直面する問題は、「一つづつ、地道に、自分達で解決する」しか無いのです。


残念ながら(?)、僕はこれからの日本の状況には悲観的です。「目を背けたくなるような」惨状が、15年後30年後に待ち受けているのは、ほぼ確実です。

しかし、マズロー(注4)が言うように、「社会は少しずつしか変化しない(漸進的な革命)」わけなので、その都度、都合と「調子」の良いこと「だけ」を言う人々に惑わされず、しかし、目標を見失わず、少しづつ「問題を解決し、社会を良くする」ことに、僕とともに取り組んでくれる学生が、増えることを祈るしかありません。


結局のところ、僕が「教育」を仕事にしている理由は、それ以上でも、それ以下でも、無いからです。


「Mrクスウラは、Propheting だね」


と言ってくれた、N.Myrvold の評価が、外れていることを祈りながら・・・(注5)。




※ 注1) 「論語」 参照


※ 注2) 「自己信頼」ラルフ・ウォルドー・エマソン 参照

「善良さにも、ある程度の気骨が必要である―そうでなければ、善良さは何も産まない」 
「その理由を説明していては一日が終わってしまう」 
「自分で定めた高い目標と、揺ぎ無き世界観」 
「世間に迎合していては、何も説明できない。自分の道を行くのだ」 
「偉大であることは、誤解されるということなのだ」 
「自分の仕事をするのだ、そうすればもっと強くなれる」 
「たとえ群衆の中にあっても、独りの時と同じ独立心を持ち、にこやかな態度で人と接する」

※ 注3) もちろん、その企業へ入りたいという塾生がいる場合、事実を詳細に話した上で、「できれば止めておくほうが良い」とアドバイスしています。


※ 注4)「完全なる経営」参照


※ 注5)日本の未来については、僕の予測が外れることを願うしかありません。


2013年8月31日土曜日

再び「設計」論~発明塾京都第144回開催報告

今回も、引き続き合宿時のアイデアを、個別に討議しました。その中で、「特許としてどう取るべきなのか」「それをどのような手順で考えるのか」について、討議/講義を行いました。

今回は「消耗品」が絡んできますので、「権利化」について、注意が必要です。サプライチェ-ン/バリューチェーン/利用のプロセスの、どの部分に注目して権利化するかを間違えると、単にアイデアを公開するだけの、無駄な作業になってしまいます。

発明をする際には、結局「適切に保護されない」ような無駄な発明をせずに済むように、予め権利化を想定しておく必要があります。

僕が「適切な発明を生み出すには、知財に関する詳細な知識が必須」と、発明塾で繰り返し言っている理由が、今回少し分かったのではないかな、と思います。


さて、少し話題は変わりますが、塾生の一人から「設計と発明の関係について」、ちょっとした情報共有が有りましたので、当り障りのない範囲で、紹介しておきたいと思います。

現在、宮崎駿監督の「風立ちぬ」が公開されていますが、その中で、戦時中の戦闘機の「設計」について、色々と取り上げられているそうです。

興味を持った塾生さんは、戦闘機設計に関する更に詳しい本、

・「零戦 その誕生と栄光の記録」堀越 二郎 著

を、読んでいるとのこと。この時点で、理系学生&塾生としては十分合格点のような気がしますが、気づいた点として、いくつかを挙げてくれました。僕なりの解釈と抜粋も含めると、以下の3点でした。

①まず全体の3面図から入り、それを分解していく形で設計が進むこと
②材料やネジの変更など、少しの/部分的な変更が、全体に大きな影響を及ぼすこと
③多くの場合、それらの「変更」は、トレードオフを伴い、そういう意味でも全体観が必要とされること

どれも、非常に重要な指摘だと思いました。と同時に、学生さんが「ものづくり」をどう捉えているかということに関する、僕の疑問点をいくつか解消してくれました。


①設計はまず「全体在りき」である。部分から始まることはありえない

設計者としてずっとやっていると、ある種「当たり前」のことなのですが、多くの「技術系」の学生が見せられる「工場で部品が組み立てられる」映像を元に「ものづくり」を捉えてしまうと、「部品を組み立てていくのがものづくりであり、部品の図を書くのが設計なのだ」と思われる可能性があるな、と気付きました。

Never.

正確には、「ある性能を実現するため、部分と全体をバランスよく見て、実際に作れるものとして、指示する」のが、設計だと思っています。部分の裏付けなく全体図を書く設計者はいませんが、決して部分から入るわけではなく、全体としてある「仕様」「性能」(発明的には「課題を解決する」)を満たすように、指示を出す。

つまり「設計図」とは「設計者が持つ”全体観”を具現化するための”指示書”」なのです(注1)。実際に僕は、川崎重工時代には、設計図に「製造法、材料」はもちろんですが、「検査方法」「製造時の不具合修正方法」なども、細かく指示をしていました。工作機械に使う「工具」を指定することも、しばしばです。同じものであっても、計測方法によって寸法は異なりますので、計測方法や条件も指示しないと、図面の数字は意味を持ちません。

さらに極端には、「製造時に必要な寸法」と「検査時に必要な寸法」は、全く異なります。たとえば、最終的に削って無くなってしまう部分の寸法を、わざと指示することが有ります。製造時には必要ですが、検査はできません。


また、金型製作時に必要な寸法の一部は、原理上、現物では測定出来なくなってしまいます。どの寸法が、どの工程で意味を持つか、まで知り尽くして、一枚の図面を仕上げていく。これが「指示書」たる「設計図面」です。一枚の図面には、何から初めてどう作る(削る順番なども)、という「ストーリー」が詰まっているのです。

製造方法も含め、部分を詳細に知らないと、全体を想像/創造することも出来ないが、かといって、部分からは「決して」始まらない。全体を分解するときの「落とし所」を知らないと、全体を決めることが出来ないが、落とし所から始めても、面白いものは出来ない。

この絶妙のバランスを、経験と知識(理論)を駆使して、成立させる。これが「設計」です。

「部分」は、必ず「全体」に従う。でも、「部分」が変わると、「全体」も変わる。一連のフィードバックプロセスが「設計」の本質です(注2)。

面白い仕事だと思いませんか?どうかな?・・・


②③については、以前取り上げましたし、結局①の裏返しでしかありません。「全体として満たすべき性能(発明的には「解決すべき課題」)を忘れず、しかし、部分は徹底的に最適化し、変える。


僕は、研究でも開発でもなく、この「設計」が、ものすごく好きです。会社では、いちいち説明するのが面倒なので「技術者」等と言ってしまいますが、「研究」「開発」「設計」・・スタンスが、まるで違います。同列に扱うのは、危険な気さえします。

設計において、基本的に「開発」要素は厳禁です。既に出来上がって、原理が解明されているか、解明されていなくても十分使いこなせている技術/要素を使って、行う作業が設計です。「性能」が達成されるように、世界中にある「ありとあらゆる”つかえる”技術」を、総動員する作業。それが「設計」です。

設計する度に開発していては「納期通りに」、モノを出すことは不可能です。

・原理確認=サイエンス=研究
・性能向上=開発
・定められた機能を発揮する1つのシステムとして、まとめ上げる=設計

てな感じでしょうか。まさに、発明塾で教えていることは、「設計」ですよね。僕は「発明は設計」だ、と感じてくれた塾生が出たことが、とても嬉しいです。

「全体を見て」「部分を徹底的に作りこみ」「全体として機能するようにする」

ことに喜びを感じる学生さんは、ぜひ「発明」をやりましょう。


ここまで来て「発明には知財の知識が必要」も、まさしく「設計」の理屈だなと思った塾生は、勘が鋭い。僕にとっては「どう保護できるかを知らずに発明をする」というのは、「製造法を知らずに図面を書く」のと同じぐらい、理不尽で無駄な作業に思えるのです。

これは僕が「設計者」だからだろうな、と「つくづく」思います。

ではでは。


※ 注1)補足すると、優秀な設計者は、全体観としてはある程度冒険しつつ、設計の中でその「マージン」を確認しつつ、大きな破綻がないように全体をまとめていく。つまり、「設計=確認」であり、「設計図=確認結果の提示」となっている。なので「積み上げ」ではなく、「常に仮説検証」である。設計という作業は、「仮説検証」という思考回路を教え/鍛えるのに、うってつけだと、今になって思う。「仮説思考を学びたければ、設計者になれ!」という気がします。

※ 注2)この部分に関する、関連記事は以下。
 塾長の部屋(40)~「設計」と「発明」が持つ「アート的」面白さ



2013年8月24日土曜日

発明塾京都第143回開催報告~「偶然に必然を見出す」J.モノーに学ぶ

前回はお盆ということでお休みでしたので、2週間ぶりの発明塾となりました。前回の「合宿」で創出したアイデアを、討議しました。

また(結果的に)、合宿も含めたこれまでの討議内容を一部振り返り、「どういう領域で発明を生み出すべきか」と「その際の発明法はどのようにあるべきか」も議論しました。

実は、僕自身は7月の議論を踏まえて、この状況を予測しており、先回りして、弊社発行のメルマガで「偶然と必然」(J.モノー)を、「今週の一冊」に取り上げています。

・TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.130

以下抜粋関連部分
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●今週の一冊
「偶然と必然―現代生物学の思想的な問いかけ」J.モノー

ラクトース オペロンの発見者として、ノーベル医学・生理学賞を受賞した、
J.モノーの著作。もはや、現代生物学の「古典」である。

知れば知るほど「精緻な機械」である生物。
「合目的性」と、「偶然」が果たす役割。

「生物とは何か」

今回は、この問いから、始めてみて下さい。

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以前より度々、発明プロセスにおける「ブレイン・ストーミング」(注1)の役割について、塾で討議/検証し、説明してきました。

合理/非合理、論理/非論理、どちらの表現でも構いませんが、発明において重要なのは「合理的に非合理プロセスを追求する」ことであり「非論理的プロセスを、論理的に使いこなすこと」です。

このプロセスは、生命の進化のプロセスそのものです。我々は生命体として、「局所的に非常に非合理的なプロセス」を内包した「合理的存在」なのです。

また、論理的プロセスの繰り返しが、時として非常に鋭敏で複雑な発散/散逸(注2)構造を現出させることは、「非線形現象」「複雑系」として広く知られています。

「論理的に考えること=安定的かつ効率的な解法である」というのは、幻想でしかありません。いわゆる「左脳崇拝」です。論理性は、効率性も安定性も、一切保証していません。

非線形現象/複雑系の典型が、いわゆる「カオス現象」です。

僕がこれを知ったのは丁度大学の頃で、当時毎晩、友人とBasicで「カオス」「フラクタル」に関するプログラムを書き、「マンデルブロー集合」や「ジュリア集合」、ローレンツ方程式の解(ローレンツ・アトラクタ)等、を描画させて遊んでいました。

・「カオス―新しい科学をつくる」J.グリック

その後、遺伝的アルゴリズム(GA)などの発展により、局所最適に陥りがちな論理的解法に確率的手法を組み合わせて、効率よく全体最適を見出す方法が探求されたことは、皆さん(注3)も御存知のとおりです。

これまでに得られている、発明の「公理」をいくつかまとめておくと、

・「論理的プロセスだけでは、良い発明は得られない」
・「非論理的なプロセスを、論理的に導入することが重要である」
・「非論理的なプロセスを論理的に使うと、解の探索プロセスが著しく省略される」
・「非論理的なプロセスで得られたアイデアに、論理性を見出すことが重要である」

というところでしょうか。僕自身は、発明(創造的思考)プロセスと、生命の歴史やカオス/フラクタルとの、強い相関を見出しているところですが、この辺りは、今後も塾で継続的に議論していきたいと思います。

では、次週までに、先行技術調査も含め、各自の発明をしっかり進めて来て下さい。

もう一冊。


※ 注1) 発明=アイデア出し=ブレイン・ストーミング、と考えている塾生がいるかもしれませんが、ブレイン・ストーミングが全発明プロセスに占める割合は、ごく僅かです。しかしながら、非常に重要な意味を持っています。

※ 注2) 「散逸構造」の方は、I.プリゴジンの各著作を、是非参照してください。その後僕は、ナノテク研究の中で「自己組織化」に再び出会い、プリゴジンと再会することになります。例えば、シュレディンガーが、現代物理を追求した挙句に「生命とは何か」(シュレディンガーの著作)に行き着いたように、物理を追求すると、決まって生命科学に突き抜けるのには、なにか理由があるのでしょう。

※ 注3) 塾生であれば、カオス/フラクタルに関するマンデルブローやローレンツの業績や、GAぐらいは、知っておいて欲しいところです。

※ 注4) 結局、P/NP問題論と同じことを言っているだけ、のような気がします。また、関連する過去の記載を以下に示しておきます。工学(と工学「教育」)の本質であり、工学部の学生は、このセンスは身につけておくべきでしょう。

・「なぜ調べるのか
http://edison-univ.blogspot.jp/2011/10/blog-post.html



2013年8月17日土曜日

塾長の部屋(47)~「仕事の哲学」

お盆の時期もそろそろ終わりですね。皆さんは、お盆休みはどのように過ごされましたか?

ちなみに僕は、毎年お盆と正月に、1週間ほど総てのアポや外出をシャットアウトして籠もり、半年ごとの、仕事の見直し作業を行うことにしています。もう10年ほど続けているでしょうか。


会社の将来のことについて考えるための「まとまった」時間は、やはりなかなか取れないので、貴重な時間です。友人の経営者(ベンチャーが多いですが)も、だいたい同じようなことを言っているので、「ほとんどの経営者はそうしているのだろうな」と思っています。

弊社は今年で設立6年目、前のベンチャーの設立から10年となりますので、僕的にはひとつの節目です。同じ失敗を2回しないためにも、振り返ることもまた重要で、昔のノートや日記を見直したり、昔読んだ本を読み直したりしています。


今日は、この「塾長の部屋」本来の趣旨である、卒業生へのメッセージとして、僕の仕事の哲学を取り上げたいと思います。以前も、部分的に取り上げています。


・塾長の部屋(23)~会社とは何か、仕事とは何か

http://edison-univ.blogspot.jp/2012/11/blog-post_11.html


僕が普段会社で話していることを紹介しながら、にしましょう。


「人生の黄金期を使って仕事をしてもらっている以上、能力が高まることで、個々人が充実した人生を送れるようになるという意味で、能力を開発することは、経営者の義務である」


これ以上、説明は不要でしょう。メンバーの能力の開発は、会社の経営のためだけにとどまらないのである。その人が、より充実した人生を送るために、まず、能力の開発が必須なのである。


併せて、少なくとも僕にとっては、1日8時間週5日の仕事の時間の充実無しに、人生が充実するということは、ちょっと考えられない。

いずれにせよ、マズロー(注1)が言う通り、

「進歩的な経営管理で、従業員の能力を開発し、会社として価値を社会に提供するだけでなく、社会を形成する人材自体を変えていくことで、良い社会を生み出す」

事こそが、経営者の仕事だと思っている。単に「金儲け」の方法を追求する、そのために身につけたテクニックを駆使するだけなのであれば、こんな面倒な「経営者」などという仕事をする気はしない。ある人に、

「金儲けの才能という点では、あなた以上の人はいくらでもいる」

と、面と向かって言われたことがあるが、全くその通りだと思う。何の異論もない。単に金儲けがしたいだけなら、会社を経営するなんてことは、少なくとも僕はやらない。誰か別の人がやった方がいい。僕もそう思う。

だけど僕には、「僕がやる」正当な理由があると、少なくとも今のところ信じている。

これは、上記(23)でも取り上げたユヌスの、「経済こそが社会を変える」という哲学とも、通じるところがある。

もはや僕にとって、経営者という仕事は「自分の哲学の追求」であり、「身体の一部」である。



別のところでも紹介している通り、僕は「7つの習慣」(S.R.Covey)のプログラムに従って、スケジュール管理や、自分のミッション・ステートメント作成を続けている。忙しい毎日の中で、「自分が取り組むべきこと」を整理するためのツールとして、非常に完成度の高いツールである。


現在の僕のミッションステートメントの一部を紹介したい。「7つの習慣」に従って、定期的に書き直しているので、あくまでも「現在の」であることを、ご理解いただきたい。


「創造的リーダーシップにより、自らとその周囲のすべての人に、豊かな人生をもたらす。併せて、創造的リーダーシップを発揮できる人材を自ら継続的に育成し、継続的に育成できる仕組みを作り、社会を継続的に、より良くしていく。」


セネカの一言を待つまでもなく、「人生は短いが、一つ何事かを成すには十分」であり、重要なのは「その一つを何にするか」である。



大学時代に、教育の仕事に没頭して掴んだものが、20年以上の時と様々な経験を経て、再び僕の中で動き出そうとしている。


TechnoProducer株式会社 という会社を通じて、僕が実現したいことは、こういうことなのです。皆さんも、自分の人生を費やす「意味」のある仕事を、しっかりと捕まえて下さい。一つ一つの出会いを大事にして。


最後に、現在の会社としてのKSQ(注2)を、以下に挙げておきます。


①もっと「知と頭脳を武器にする」ためにはどうすればいいか。それを企業の競争力に結びつける「科学」を確立し、提供できないか。

②もっと人々をクリエイティブにし、「武器になる知」を生み出せるようにするには、どうすればいいか。


③もっと人々が学べるように出来ないか、そのための環境、方法はどうあるべきか。それを環境として提供出来ないか。


④もっと創造的(クリエイティブ)なリーダーを増やし、より良い社会を創ることは出来ないか。


これからも、これに答えを出すべく、様々なサービスの開発を行っていく予定である。



入塾希望は、こちら



※ 注1)「完全なる経営」A.H.マズロー


※ 注2)これに答えれば全てが解決する、というポイント。会社の羅針盤となる質問。これに従って、何をやるべきか、その仕事はやるべきなのか?を、僕は判断している。




2013年8月10日土曜日

発明塾京都第142回開催報告~合宿報告

第142回は、合宿という形で開催しました。

毎年、長期休み(夏、冬、春)には合宿もしくは集中講義を行なっています。そもそも、ある程度まとまった時間を確保しないと良い議論ができませんので、合宿は「アウトプット」のための非常に有効な手段です。

・2012冬期集中講義
http://edison-univ.blogspot.jp/2012/12/blog-post_22.html

・2013春期合宿(第2回)
http://edison-univ.blogspot.jp/2013/03/2013_23.html


ちなみに、終了後に懇親会を行う時がありますが、「酒気厳禁」としています(注)。飲んだら、せっかくのいいアイデアを「忘れてしまう」からです。その日のうちに、ある程度の文脈(発明方程式)にまとめておくのが理想的です。

お盆休みがありますので、次回は2週間後。

それまでに、しっかりとアイデアを発明塾式の「発明方程式」で整理し、全体での討議に掛けられるようにしておいて下さい。

では!


※ 注) ちなみに僕は、余程の何かがない限り平日に酒を飲まないのですが、同じ理由です。頭脳を鈍らせてしまう時間が、とても惜しいのです。


2013年8月6日火曜日

塾長の部屋(46)~「特許情報分析官」のススメ

少しイレギュラーなタイミングですが。

本日、弊社のクライアント(正確には、メルマガ登録いただいている方)には、以下のセミナーご案内を送付させて頂きました。


・第7回 知的財産セミナー開催のご案内 ~エジソンを育てる~
「敵を知り、己を知る! 『事業で勝ち抜く』ための特許情報分析とは?~経営戦略/事業戦略立案に用いる特許情報分析~」
http://p.tl/02Gh

※ 同業者お断りです。

別に、このページでセミナーの宣伝をするつもりはありません。紹介したいのは、講演者の方と、そのお仕事です。


僕自身が、この業界に入って一番最初に「この人スゲーな」と思った方です。ご縁を作っていただいた、当時からの営業担当の方に、大変感謝しています。


「特許情報分析」


この一言から、何を連想されるでしょうか?(注1)


この重要性がわからない方は、もはや居られないと思います。少なくとも、私の周りには。。。


僕自身、専任スタッフを一名置いて、毎日様々な企業、様々な技術分野の特許情報を分析しています。分析は、基本的に「仮説検証」プロセスですので、


「AとBを軸にして分析して、もしこういう傾向が出ればそれはZZということのハズである」


というような、自分なりの結論を持って、分析のプロセスを組む。なので、分析担当者には結論を求めない。こっちはもともと結論が有って、指示しているわけなので、データを見れば済む。もちろん、彼には、


「XXの技術分野について、YYを知りたい場合の母集団は、どうなる?」


とか、分析の要所で必要な「知財の知識」は、借りるのですが、どういう手順で、何を比較(分析とは比較です:注2)するかは、全て僕の頭のなかに出来上がっている。その上でデータを見て、


「?・・・・!」


を見つけるのである(注3)。


僕自身、創業当初から自分なりの分析手法を磨いてきて、それは僕の会社 TechnoProducer株式会社 の経営に必要な「情報分析」に、全て生かされている。もちろん、発明/発明塾の活動に必要な情報分析も、同じようなロジックで組まれている。発明塾を、


「所詮、大学生の発明活動」


と、ナメてはイケない。僕の知る限り、ここまで精緻な情報分析に基づいて、「目的」的かつ合理的に発明創出活動を行なっている「集団」は、日本には存在しない。僕は「いたって普通の大学生」を「お化け(おばけ:甲斐塾用語)」にしている。確信犯で。



脱線失礼。


彼らにもタマに使ってもらっているのですが、僕と分析担当者が毎日使っている特許分析ソフトがある。使えば使うほど、ホントに「秀逸」なソフトで、これでしか出来ない分析が結構ある。

以前は、「何に使うねん」と思っていた機能が、色々な経営課題にぶち当たる度に「それ、あの機能でわかるやん!」となる。ほんと素晴らしい。それでも、未だ使っていない機能がある。今後が楽しみである。

・特許情報分析ソフト「CsvAid」

http://bit.ly/190E6R4

開発したのは、元富士XEROX知財部の方。知財の仕事をしていると、何故か要所でXEROXが出てくる。そして、とんでもなく「切れる」武器である。「情報」と最初から謳っているのがニクい。これも、創業当初紹介いただいた時に、

「なんで前の会社で、事業開発のための特許分析やってた時に、紹介してくれなかったの」


と真顔で怒った(笑)憶えがある。もっとも、見る人が見ないとわからない、のかもしれません。


その後、開発の方に非常に懇意にしていただき、一部機能の開発に協力させていただいたりしています。単に、ワガママを聞いていただいているだけかもしれませんが。



また脱線。


何が言いたいかというと、


「これほど使える情報はない。我々のような非常に小さな会社が、世界を相手に、頭脳と発明と知財で戦おうと思ったら、特許情報を分析し倒すしか無い」


ということです。世界中で、毎日本気で特許をこれほど分析している人間は、他にどれぐらいいるでしょうか。少なくとも、上述のソフトについては、「日本一」のヘビーユーザーである自信があります。


皆様の会社にも是非、「特許情報分析官」を置かれては、いかがでしょうか?


そのための、e発明塾講座も、完備しています。

(e発明塾講座開発テーマ企画・立案における特許情報分析の活用)
https://e-hatsumeijuku.techno-producer.com/tokkyo_bunseki



楠浦 拝



※ 注1) 「特許なんて、どうせ嘘ばっかり書いてあるんだから、調べても何も分からない」というコメントが、5年前には支配的でした。

・「特許戦略セミナー」を終えて~定点観測とその反省
http://edison-univ.blogspot.jp/2013/06/blog-post_11.html

※ 注2) 詳細は以下参照。

・塾長の部屋(17)~特許情報分析セミナーから
http://edison-univ.blogspot.jp/2012/10/blog-post_17.html

※ 注3) 高須賀氏(サイボウズ創業者)のBlog参照。


2013年8月3日土曜日

発明塾京都第141回開催報告

第141回目も、無事終了しました。

試験期間中でしたので、今回も少人数開催しましたが、例に漏れず、非常に良い議論ができました。

次回は合宿ですので、今回の議論でさらに精緻に定式化された「発明方程式」と、今回のお題に関するパラメータを復習しておいて下さい。

では!