「バリュー投資」
と比較して語られる
「グロース投資」(成長企業投資/成長株投資)
ですが、バリュー投資に比べ、参考になる書籍は少ないと感じます。
また、
「グロース投資」
を扱っている書籍でも
「テクニカル」
のことばかり書いてあるものも、多くあります。
(それはそれでよい、という意見もあります)
今回は、株式投資に限らない
「機会発掘」
の考え方について学べる
を紹介します。
ちなみに、バリュー投資家の代表例として挙げられる バフェット は
「安値でそこそこの会社よりも、適正な株価で素晴らしい会社を買う方がはるかに良い」
(「ミネルヴィニの成長株投資法」より)
と考えているようで、実際、コカ・コーラに投資したときは、さほど割安でもないと思われていた時期で、いわゆるバリュー投資の範疇とはみなされなかったようです。
僕が、発明や新製品アイデア、新規事業アイデアの創出や育成を行う際に、いつも思うことは
「そこそこのアイデアを、いろいろなデータ、いろいろな人の意見と美しいプレゼンで飾り立て、予算を獲得して後で地獄を見るより、素晴らしいと”自分だけが信じている”アイデアをもとに、予算と協力者を獲得する段階で地獄を見るほうが、よほどよい」
ということです。これは、前職の Start-Up で痛感したことです。
前職では、特許情報という「当時、誰も活用できていなかった情報源」のおかげで上手く軌道修正でき助かりましたが、どうしようもなく競争力のない着想で、安易に大口の資金が調達できると、その後、まともな神経の人では耐えがたい「不毛な苦痛」を味わいます。
投資を先に学んでいれば、そんなことにはならなかったのに・・・という僕自身の反省から、発明塾の学生さんには、投資を学んでおいてほしいと思っています。
(画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
Amazonのプログラムを利用して画像を引用することにしました。
急激に成長する「テクノロジー系企業」に
目をつけるという考え方は
バフェット式とは対極にあるように
思えるかもしれませんが
「事業の本質的価値」を見極めるという意味では
両者は同じだと、僕は考えています。
特許情報分析を活用することを前提にすると、成長企業投資(成長企業の分析)において、より
「ユニーク」
な機会発掘のチャンスがあるように思えますので、成長企業投資は、発明塾投資部向きの考え方かもしれません。
(実際、毎回の持ち込み案件を見ていると、成長企業についての分析を行うメンバーが多いように感じます)
詳細はお読みいただくとして、要点と、僕の所感を、以下に記載しておきます。
● 最小のリスクでリターンを最大化する
「それが出来れば世話はないよ」
と、僕も思っていますが(笑)、理想的にどうあるのがよいのか、考えておくことは重要なので、本書の中から、上記の言葉を取り上げました。
末尾に関連参考書籍を示しますが、本書で「超成長」という言葉が意味することは、スタートアップ企業に近い、急成長中の小規模企業に注目するという考え方のようです。
「正しく選び抜けば、売り時など存在しない」
と言っていますが、確かに、1年以上前の投資部での議論で発掘した
「日本ライフライン」
「MGP」
「クリーク・アンド・リバー」
「グローバス・メディカル」
「メディカル・データ・ビジョン」
「デジタル・グローブ」
などは、その後も、市場平均をはるかに上回る利益成長率で、急成長しています。
急成長する企業(事業)が、驚くほどのリターンを挙げる(か、失敗する)ことを前提に、どう
「ポートフォリオ」
を組むか、についても書かれています。
● 「いつ」買うか
つまり、いつ投資するかの話です。タイミングを逃せば、
「すでに織り込まれている」
状態、つまり、超過収益が得られない状態になるからです。
成長企業投資のタイミングとして、例えば
・ 収益率が向上する「前」
・ 一時的に「コケた時」
が挙げられています。これは、自身で企業を(ゼロから)立ち上げられた方は実感されていると思うので、納得感が高いでしょうが、そうでなければ、なかなか、思い切りがつかないかもしれません。
後ほど、参考になりそうな、いわゆる Start-Up 企業 に関連する書籍を紹介させていただきます。
僕の意見としては
・ 向上する「前」って、向上しないとわからんやろ!
・ 「一時的に」って、そのままつぶれるかもしれんやろ!
と突っ込みを入れたくなる方の気持ちがよくわかる、ということにとどめておきます(笑
(究極的には、ホント、その通りです)
● 結局は、「コントラリアン」
特に後半、読み進めていけば行くほど
「結局は、他の人が買わない時に、”今後急成長する企業”へ投資せよ」
といってるだけだな、ということに気付きます。
「他の人が買わないときに」
は、投資の分野では、いつもついて回る言葉です。
・ 急成長株が、既に高い評価を受けていると思われる場合でも、まだ、評価が低い可能性がある
など、
「裏の裏をかく」
ような言葉も並んでおり、
「裏、その裏、さらにその裏・・・」
と、徹底して仮説を立て、検証していくことが重要だということに、尽きる気がします。
僕も実際、すべてのものごとにおいて、そうするように心がけていますが、この方針の難点は、
「周りの人がついてこなくなる」
ことです(笑
「周りの人が考えないことを実行する」
ことに徹すると、そうなるのは当然です(笑
しかし、
「投資」
においては、これ以外の方法はないようです。
● 他の参考書籍
テクニカル的な側面を含むグロース投資についての書籍、および、急成長企業が「満たすべき条件」や「トラブルの裏側」を知っておく上で役立つ書籍を挙げておきます。
急成長企業が「満たすべき」条件を知りたい方に
いわゆる、Start-Up 系の本を多数読むことは、「どの企業がイケてるのか」目利きの力を高めるのに、とても役立ちます。書籍は多数出ていますので、僕の経験上、内容が的を得ていると感じるものを挙げておきます。
・おすすめ1) 「ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか」
・おすすめ2) 「実践リーンスタートアップ」
ここに紹介されている視点やチャートを用い、対象企業を分析すれば、確度は高められます。
僕が新興企業、新規事業、発明やアイデアを評価する際、実際に用いている観点は、表現は多少違いますが、だいたい入っています。
急成長企業が陥る「トラブルの舞台裏」を知りたい方に
知っておくと、「今、何が起こっているのか」「何が起こる可能性があるのか」ある程度推測できますので、パニックにならなくて済みます。「パニック売り」が、最も避けるべきものであることは、多くの投資家が認めています。経験しないとわからない、新興企業が成長する上で(ほぼ)避けられないトラブルが、書かれた本を1つ紹介します。僕も、ここに書かれたことほぼすべて経験しましたので、1-2回企業/事業を興すと、一通り経験する羽目になるのだと思っています。
リストラ、創業者の解雇、投資家の離反、リコール、事業の一部売却、製造の遅れ、などのニュースで、「パニックにならない」ようにしてください。新しいことをやる時には、こういうことは、実によくあること(たぶん、避けて通れないこと)なのです。
僕は、「トラブルが起きている!」「大スキャンダルだ!」とはやし立てるニュースが出た急成長企業があると、「まーた、しょーもないことで騒いどるアホが、どこぞに居んなー(コテコテの関西弁で、是非どうぞ)」と思い、その企業の分析を開始したくなります(笑
(もちろん、ホントに重大事件が起きていることもありますので、お気をつけください)
テクニカルも含めた「グロース投資」の手法を、もっと知りたい方に
投資を実際にされる方は、是非お読み下さい。投資部の方は、必読です。
・おすすめ1) 「ミネルヴィニの成長株投資法」
・おすすめ2) 「オニールの成長株発掘法」
楠浦 拝
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