「発明塾®」へようこそ!: その事業に「モート」はあるか?~7日目_【参考書籍紹介】基礎から学ぶ投資とビジネス

その事業に「モート」はあるか?~7日目_【参考書籍紹介】基礎から学ぶ投資とビジネス

今回は、発明塾投資部で、事業の競争力を評価するために用いている

「モート」(Moat:堀)

という考え方について、参考書籍を紹介します。



「モート」(正確には、エコノミック・モート)という考え方は、モーニングスター社が、企業の評価に用いている考え方です。

ここ数年、米国の大手企業経営者や、Tech Start-Up 企業の経営者が、この「モート」という言葉を頻繁に口にするようになったため、日本でも広く知られつつあります。


しかし、参考になる資料は、あまり公開されていません。


今回は、初学者でもわかりやすい内容の書籍を、一冊、紹介させていただきます。

投資部でも、最初に読むように勧めている書籍の一つです。

これを知っていると知らないとでは、目の付け所が全く変わってきます。



(画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
Amazonのプログラムを利用して画像を引用することにしました。

 「広く深い堀を備えた事業/企業」を
探すためのマニュアル、あるいは、そのような
企業/事業を創造するためのヒントを与えてくれる、
そう、僕は考えています。
実際、多くのヒントをいただきました。



● 競争上の「持続的な優位性」を見極める

本書では、一部の企業には

「構造的な優位性」

が存在すると主張しています。


具体的には、以下の4つに言及しています

・ 無形資産
・ 顧客の乗り換えコスト
・ ネットワーク効果
・ コスト優位性

それぞれに1章を割き、事例を挙げて解説しており、非常にわかりやすいと僕は感じました。また、挙げられている企業のいくつかは、現在でもその「モート」を維持しているように見受けられたため、投資部で取りあげ、議論しました。
(その結果、「モート」を持つ企業が、新たにいくつか見つかりました)


皆さんも、そのように読まれると、普通に読むよりも、さらに得るものが多いと思います。
(ちなみに、流し読みしても、かなり勉強になります)



● 「誤解されている堀」にも言及

投資という観点から企業を評価しているため、いわゆる、マーケティングコンサルタントや戦略コンサルタントがよく用いる「競争優位」についての考え方と、少し異なる部分があります。

本書では、マーケティングコンサルタントや戦略コンサルタントがよく用いる「競争優位」についての考え方のいくつかを否定していますが、僕は、「使い方次第」だろうなと思っています。使う人が、その理論の使い方をわかっていない場合、どんな素晴らしい理論も「効果なし」になりますから・・・。


脱線しました。


本書で

「誤解されている堀」(堀ではないのに、堀とされているもの、という意味でしょう)

として紹介されているのは、例えば、以下です。

・ 大きなマーケットシェア
・ 無駄のないオペレーション
・ 素晴らしい経営者

詳細は、書籍に譲ります。
(僕が解説し、誤解を招く部分があるともったいないですし、著者に申し訳ないですから)



● 「投資は数字だけではない」

本書の最終章のタイトルが、上記です。

・ 数字を読むことは重要だが、十分ではない

としています。

つまり、あなたが会計士でなかったとしても、情報分析において

「勝ち目」

があるということです(笑


「1冊の年次報告書(決算報告)の方が、FRB議長の10回のスピーチより価値がある」

としており、個別企業の情報に精通することを推奨しています。

また

「多くの企業を知っている方が、比較をしたりパターンを見つけたりするのが楽になる」

とも言っており、投資部では

DOW30ぐらいは、ざっと見たほうがいいよ」

と言ってあります。
(僕も、そこから入りましたし、各Qの決算も出来るだけ見るようにしています・・・なかなか大変ですが、日々飛び交うニュースを読むよりは、断然面白いです)

別に、Nasdaq100でも、SP500でも、なんでもよいのですが・・・



● 他の参考書籍

本件に関しては、あまり良い書籍が他にありません。「千年投資の公理」の内容を捕足する視点が含まれている書籍を、以下に挙げておきます。


「モート」および「企業価値(企業の本質的価値)の算出」について興味がある方に
日本の投資会社「みさき投資」の中神さんの書籍が、参考になります。
 

「ミサキの定理」は、「モート」の考え方をアレンジしたものだと、僕はとらえました。


多くの「スタートアップ(Start-Up)」も、同じ視点で考えている
「千年投資の公理」を読んでから以下を読むと、ピーター・ティールも、結局同じことをいっている(だけ)と気づきます。
 

最近の(米国)スタートアップの経営者は、モートをかなり意識しているようです。




楠浦 拝





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