「発明塾®」へようこそ!: 2020

2020年12月18日金曜日

「化学」の分野で「実験せず」に特許を取れるの?楠浦の化学系発明の権利化経験から~発明塾第568回(2020年12月17日開催分)

 楠浦です。今回も、開催記録的なものになりますが、メモを残しておきます。

現在議論している発明の一つが、

「化学系」

の発明であるため、このまま出願できるのか、若干不安があるようですが、慣れた弁理士の方であれば問題ありませんので、まぁその辺はおいおいやっていきましょう。

僕が過去、出願を依頼した米国の弁理士は全員、実験データなんかいらないよ、無いなら無いで、どうとるか考えるんだよ、と言ってくれていました。

その通りだ、そう思いました。

詳しいことは、以下 note に書いています。

「化学」の分野で「実験せず」に特許を取れるの?~楠浦の化学系発明の特許化までを振り返る


まずは、書ける範囲で明細書を書いて、一度議論しましょう。


楠浦 拝



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2020年11月24日火曜日

「社会課題」から「顧客課題」に視点を移したのが成功要因~発明塾第567回(2020年11月23日開催分)

 今回は、楠浦も参加しました。備忘録と他OBOGへの報告を兼ね、簡単なメモを残しておきます。

自力である程度進められました、ということだったので、主に今後の進め方について討議しました。


結論から言うと、進んだ要因(成功要因)は

「社会課題」(ふわっとした課題)

から

「顧客課題」(どこのだれが何で困ってて、今どうしている)

へ視点を移したことでした。


以下、備忘のために整理しておきます。


1.「課題」にも、いろいろある

発明は「課題」と「解決手段」からなる、というのが発明塾の教えです。では、「課題」とは何か。実は、発明塾でいう「課題」のうち、一番「狭い」概念は

「技術課題」

です。その上に、

「顧客課題」

があります。

「顧客が、XXXで困っている、それが解決できないのはYYYの技術が完ぺきではないからだ」

みたいな構造を、想定しています。その上には

「市場課題」

「社会課題」

があります。

イメージとして例えば、人手不足により・・・みたいな話は、市場課題か社会課題である可能性が高いですね。CO2排出量が・・・みたいな議論は、たぶん社会課題ですね。



特にOBOGさんには、仕事って何?を考え直す機会にして欲しい。
自分の仕事が、世の中をよくする。
そういう仕事を、自分で作る。
待ってても始まりません。

2.「顧客課題」の仮説を立て、確認する

今回の持ち込みでは、おそらくこれではないか?という「顧客課題」の仮説が持ち込まれました。解決策になっていない、中途半端な取り組みが見つかったことで、仮説はある程度支持されたように思いましたが、日本ではなく海外の話であり、情報が限られていたので、ヒアリングでしっかり確認したいところです。

ヒアリングに進むためにも、

「特許出願」

をしておきましょう、という話になりました。

幸いにも、持ち込んだOBOGは、現在、知財の仕事に就いているため、出願は問題なさそうです。副業許可をきちんと取って、地道に社会実装に取り組んではどうか、というお話をしました。そういう時代ですから。


次回は、発明提案書(案)をもとに、出願&ヒアリング(セットで考える必要がありますよ)をどう進めるか、討議しましょう。


楠浦 拝



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2020年11月15日日曜日

「ヒアリング」を想定して、企画書と特許出願書類を仕上げる~発明塾第566回(2020年11月12日開催分)

 今回は、楠浦は参加できませんでしたが、OB・OGの持ち込みアイデア2件の討議が行われました。

備忘と報告のため、気づいた点を簡単に指摘しておきます。


1.「ヒアリング」に行くことを前提に、すべてを進める

議論や作業が進まない、あるいは、なんとなく堂々巡りになっている場合、

「次のステップは何か」

「そこに向けて何をすべきか」

を、明確にして、書き出して、机の前に貼っておきましょう。

例えば今回の例でいえば、そろそろ

「ヒアリング」

に行く前提で作業を進めたほうが良いのでは、という持ち込みがありました。



「フードテック革命」なかなかの良書です。
現在取り組んでいる発明の一つは
「フードテック」に該当すると思います。
発明塾では2012年頃から、継続的に、
フードテック関連の発明に取り組んでいます。

2.特許出願を行うタイミングと内容のバランス

ヒアリング前に、

「特許出願」

を行っておくべきかどうか、どこまでの内容を特許出願しておくか、考える必要があります。出願にはそれなりに時間がかかりますが、発明の競争力が失われないようにするために、ヒアリング前の出願は必須かなと思います。

ただ、この段階では

「課題」

に関する仮説が十分検証できていない可能性もありますので、

「課題がブレてもカバーできる権利範囲」

になるよう、請求項と実施例を作り込む必要があります。

そういう、柔軟な対応をしてもらえる事務所・弁理士の方に相談する必要がありますね。

もちろん、自分で書いてみる、というのも一案だと思います。


楠浦 拝


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2020年10月26日月曜日

企画の重要なステップ「ユーザーインタビュー」を正しく行う~発明塾第565回(2020年10月25日開催分)

楠浦です。

既に、完全自主開催になっておりますが、今回は、OBさんの要望で参加しました。

OBさんが、自身の発明について

「ユーザーインタビュー」(正確には、ユーザー候補)

を行われたので、その結果を振り返りながら、企画のブラッシュアップを行いました。


僕は、ユーザーインタビューを大変重要視しています。

前職で、ここを軽視して大失敗した事業企画を、

「特許情報を駆使したユーザーインタビュー」

で、立て直した経験があるからです。


その時の経験を振り返りながら、

「新規事業・新製品企画におけるユーザーインタビューの重要性」

について、お話ししていきます。


1.ペルソナで終わらず、まず「この人は絶対使ってくれそう」という人を一人、明確にする

今回の発明は、ユーザーが一般消費者、いわゆる、

「B to C」

の事業になると想定し、ヒアリングできそうなユーザーを探しました。企画書を作りましょう、というと

「ペルソナ」

を設定するところまでを行う人は多いのですが、ヒアリングを前提にして、個人属性まで落とし込めている人は、なかなかいません。

しかし、ヒアリングなしでいきなり製品リリース、があり得ないのは当然ですが、特に起業する人については、企画書作成段階で、入念にヒアリングをすることをお勧めしています。

ちなみに、

「B to B」(企業向け)

の場合、特許情報を駆使して、ヒアリングする価値のある個人を特定する、という方法はかなり上手くいくことが分かっています。もちろん、ヒアリング(ユーザーインタビュー)を受けてもらえるかどうかは、申し込む前の準備etc 次第で、疎かにすると、結局話が聞けずに終わる可能性があります。

そのあたりのお話は、以下ページ内の記事で紹介しています。

特許情報を用いた技術マーケティング(2008)の要点〜IPランドスケープへ関心のある方へ


「ユーザーインタビューをはじめよう」(ポーチガル)
この程度の本は、読んでおいて損はしないと思います。
他、デザイン思考の書籍なども、
ユーザーインタビューで非常に役立ちます。


2.顧客のペインを聞き出すために、話が聞ける相手を選ぶ

ユーザーインタビューにたどり着いたとしても、正しく話が聞けるとは限りません。関係構築が上手くいかなければ、結局、本当のところ、は聞けません。いわゆる

「顧客のペイン」

を聞き出す行為は、相手に不快な思いをさせてしまう可能性もあります。誰かに紹介いただく場合も含め、コンタクト時からユーザーインタビューは始まっている、という意識で慎重に進めましょう。

今回の場合、発明の応用用途としてヘルスケア・医療寄りの用途を想定し、ユーザーインタビューを計画しました。既にある程度、技術は固まっており、その

「用途探索」

いわゆる

「技術マーケティング」

という位置づけです。

OBさんは、新規事業の経験はありますが、ユーザーインタビューは初めて、ということでしたので、どの程度のサンプル(映像・企画書を含む)を準備して臨むのか、など、事前に、OBさんと僕で調整しながら進めました。

その甲斐があってか、知人経由で適切な方を紹介いただくことができ、また、非常に率直にお話を伺うことができました。

10月25日の発明塾では、ユーザーインタビューの結果を踏まえ、

✓ その用途で、勝てるのか
✓ その用途の最先端は、どこまで来ているのか
✓ その用途で、勝てる特許(強い特許)を出すとしたらどういうものになるか

などを、討議しました。


3.ユーザーインタビューの結果をもとに、企画を練り直す

今回は、やはりそこだったか、というズバリのお話が聞けましたが、思ったような話が聞けなかった場合

✓ 想定しているユーザーやペルソナ、あるいは、選定したユーザー候補が間違っている

✓ ヒアリング・インタビューが間違っている

の2つの可能性を念頭に置いて、ヒアリングに至るプロセスとヒアリング結果を、精査する必要があります。

今回のように良好なヒアリング結果が得られた場合も、舞い上がって、起業だ!製品開発だ!となるのではなく、そこで勝ち残れるか、再度検証する必要があります。また、ヒアリング結果にマッチする製品を開発する想定での特許も、再度考える必要があります。

現在、OBさんは既に特許取得は済ませていますが、その特許から分割出願を行い、補正できる状態にしてあります。これを活用して、ヒアリング結果までカバーできる特許を取得できないか、検討したいところです。

行けそうだ、とわかったということは、競合も参入してくる可能性が高い、と言えますので、ここからは、競合がどのような参入の仕方をしてくるか、などを想定して、企画を詰めていく必要がありますね。


楠浦 拝



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2020年10月14日水曜日

「京都大学ものつくり講義2020」ご報告 ~ 「大学院」に行くべきでしょうか?という質問が出る背景を探る

 本年も、京都大学工学部機械系にて開講中の

「ものつくり講義」

の一コマを、担当させていただきました。

ありがとうございました。

一部内容は、別途 noteでも報告させていただきます。


本ブログは、学生の塾生さんが読まれることが多いため、ここでは、講義で出たご質問・メールでいただいたご質問と、それに対するご回答・返信を紹介しておきます。

● 「大学院」(修士)に行くべきでしょうか?~そもそも、なぜそういう質問が出るか?


過去も、類似の質問はありましたが、今回のご質問には、複数の論点が含まれていたので、取りあげます。

① 「院卒(修士)」の学歴が無いと採用してもらえないのではないか?あるいは、採用してもらえない会社が多いのではないか?

② 早く社会に出て、ビジネスに触れたい

③ 大学院で学ぶことは、社会に出て、特に、企業に入って役に立つのか?

他にも、いろいろな疑問が入り混じったご質問であったように思いましたが、重要な3つは上記であったかと感じました。

一つづつ行きましょう。

勉強するのは「バカ」になるためなんですよね、実は、、、。
これ別途、note で取りあげますー!

① 「院卒(修士)」の学歴が無いと採用してもらえないのではないか?あるいは、採用してもらえない会社が多いのではないか?


講義中は、

「今、そういうこと言う会社は無いと思います、というか、そういうこと言ってる会社は時代遅れだと思います(キッパリ)」

「それよりも、何ができるか、何を身につけているか、がすべてだと思います」

と答えておきました。昔は、採用は

「社内教育」

が前提でしたが、今は、多くの企業は、

「即戦力」

前提です。新卒でも、同じです。

補足として

「大学院で学ぶことを、今、しっかり身につけておけばいいんですよ」

とお答えしました。これ、イマイチ伝わってなかったみたいで

「大学院で学んだ専門知識は、企業に入って役に立ちますか?」・・・③

というご質問になっておりました。

専門知識の中には、役に立つものも、立たないものもあると思います。

僕でいうと、金属材料や破壊力学(僕の専門分野)の知識は、大活躍しました。

また、エネルギー工学や、大学院で学んだ政治学・経済学・哲学なども、かなり役立ちました。
(エネルギー問題の解決に取り組む大学院だったので、エネルギー問題を論じられるだけの政治・経済・哲学の素養が必要だということで、大学院のカリキュラムにこういうモノが入ってました)

発明に取り組むようになって、大学~大学院で学んだ、すべての学問知識は総動員されました。

しかし、こういう例は珍しいかもしれませんし、これを語ると、授業が後3時間延長(笑)されてしまうこともあり、切り口を変えて、以下のように答えました。

「大学院では、”まだ誰も取り組んでいない問題”を見つけて、取り組むことになるので、その方法を学びますね」

実は本来、大学時代(学士)でも、卒業論文はそうありたいところですが、実際には、勉強不足の学生が、7月から12月までの半年間、突貫工事で研究室に既にあるテーマの一部を手伝う、という感じになりがちです。

そもそも、

「”まだ誰も取り組んでいない問題”の見つけ方」

など、大学の講義や演習で教えている例は、稀だと思います。
(僕は、立命館大学で3回生に教えていましたが、、、)

発明塾に来ていた学生が最初まごまごするのも、まさにこの

「まだ誰も取り組んでいない問題(課題)の見つけ方なんて、習ってないし考えたこともない」

「与えられた問題を解くことしか、やったことがないし教わってない」

からでした。

もちろん、発明塾で3か月も過ごせば、おおよそやり方は理解できるようになり、おぼつかない部分もありながらも、取り組めるようになりますので

「教えれば(教われば)、誰でもできる」

ことだということは、10年かけて確認できています。

ということで、僕の結論は、

「発明塾なり、なんなりで、自力で取り組んで身につければよいのでは?」

ということでした。弊社では、eラーニング教材も提供していますし、いつでもどこでも、なんでも学べる時代です。身につけられるかどうかは、本人の意欲次第で、大学・大学院に行くか行かないかは、全く関係ありません。

長くなりそうですね、、、

② 早く社会に出て、ビジネスに触れたい


これは、とても大切なことだと思いますし、気持ちはわかりますが、

「触れる」

だけなら、休学してインターンをするなり、いろんな選択肢があります。

「活躍」

したいなら、ある程度の準備は必要かもしれません。

ただ、人によっては、

「社会に出て、結果を出しながら手法を身につける」

のが得意、という方もおられます。

これ、実は僕です。

学ぶ前にやってしまって、結果出しながら身につけていく。

これが僕の学び方です。

ナノテクなんて、本すら出ておらず、専門家も不在。研究しながら学ぶしかなく、何だったら、僕が作った解説記事が、ある企業で教科書として配られていた(実話)ということがあるぐらいです(笑

また、発明の手法なんて、実際に役立つレベルの完成度の高い方法は、誰も、どこでも、教えてませんでしたから、仕方ないですけど、、、

③ 大学院で学ぶことは、社会に出て、特に、企業に入って役に立つのか?


これ、①で答えちゃいましたね。


ということで、本日はこれまで。


しばらくお休みしていた、発明塾(OBOG)討議ですが、間もなく再開される予定です。

楽しみです。

OBOGに交じって、学生さんも学んでいく形式で、継続していきますので、よろしくお願い致します。


楠浦 拝



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2020年7月11日土曜日

5月24日自主討議の報告&OBOG会の連絡~発明塾第564回

楠浦です。既に、完全自主開催になっておりますが、楠浦も、定期的に討議内容は見ています。気にはなりますからね。

さて、以下の通り、企業内が加速していますので、そちらの内容もフィードバックした上で、学生さんを含めた個人の活動も支援できるような体制を、徐々に整えていきます。

「アイデア」は「ビジョン」を生み、ビジョンから「さらなるアイデア」が生まれる~「建設的な対話」から生まれる「好循環」

アイデアに、どうお金をつけてもらうか、は誰にとっても非常に重要だとおもいますので、発明塾では、引き続き指導をしていきます。とは言え、ここは経験が無いとディテールまで指導しきれませんから、また、楠浦が話をすることになります。

アイデアを発明に育てる、は、既にOBOGの力で十分対応可能ですから、発明塾として、正しい進化だと思います。

OBOG同志、および、学生さんとOBOGの交流の機会も、久しぶりに設けます。詳細は、FacebookのGrに参加している人はそちらでご確認ください。参加していない人は、以下、弊社代表連絡先へ連絡ください。

TechnoProducer株式会社 連絡先
https://www.techno-producer.com/contact


楠浦 拝



2020年5月23日土曜日

結局、「特許検索」の巧拙が、「発明」の明暗を分ける~発明塾第563回

5月3日分の報告です。

楠浦は参加しておりませんので、討議記録(討議ログ)を見て気づいたことを、コメントしておきます。


● 結局、「特許検索」の力が、「発明」の肝になる ~ 「発想法」よりも・・・

いつも言っていますが、過去、楠浦が毎週指導していて

「おおよそ、6カ月」

で、発明が

「分野を問わず、スムーズに」

できるようになります。

「分野を問わない」

ことは、非常に重要で、発明塾で最も重視している指標の一つです。

「発明が出せない分野がある」

ということは

「知識に頼っている」

ということになる、と僕は考えているからです。

実際、僕の発明は

「内燃機関、風力発電、半導体、光学樹脂、光学フィルム、細胞培養、ロボット、Liイオン電池、太陽電池、土壌浄化、水質検査、医療データプラットフォーム、教育IT・・・」

など、多岐にわたりますが、どれ一つとして専門家ではありません。
(内燃機関については、一応、専門家だとしてもよいかもしれませんが・・・)


● 「6か月」が、上達の一つの目安

ちなみに、

「6か月」

は、以下でも触れていますが、学生さんにとって

「迷いながら」

も、自身の方法を確立する上で、必要十分な時間/期間だと考えています。

目の前の「1つ1つ」に集中する/逆境をアドバンテージに変える~発明塾第363回(投資部第14回)/第364回

高校生だと、もう少し長くなる印象があり、また、社会人では、2週に一度になることもあり、事前準備含め、4-5カ月程度が現状です。これ以上の時間/期間は、

「まじめにやってもらえれば」

不要です。

当日のログを見る限り

「検索式の作り方」

に対する、基本的な理解が足りていなかったようです。

教えていないと言えば教えていませんが、ブール演算を知っていれば、自力でたどり着ける範囲だと考えています。


 
「奇跡の教室」(映画)を見まして、
「シモーヌ・ヴェイユ」の回顧録を読みたいなと、購入しました。
(まだ読んでません)


● 「特許検索」の基礎知識は、理系大学生(たぶん高校生にも)に必須

特許検索に特有の問題も、初学者には、無視できないかもしれません。これまで、特許検索に関しては、e発明塾の特許情報分析の講座である

開発テーマ企画・立案における特許情報分析の活用

だけを利用してもらっていましたが、今後、

特許情報の検索と活用(初級)

も、人によっては利用してもらう必要があるのかもしれません。

この程度のことは、今後、理系の学生は

「大学」

でみっちり習うことになるでしょうから、当面は、ということになるかもしれません。

これからの世の中で、

「特許を調べられない理系学生」

というのが、ちょっとイメージできません。自身の卒業研究、何を参考にしてどうやって進めるの?という感じです。論文は、特許の

「一桁下」

の数しか出ていませんから、科学技術情報として、論文しか調べないのでは、非常に限定的な情報しか得られない、ということになります。
(論文は、ともて大事ですけど・・・)


あまり脱線してもいけませんので、今日はこれぐらいで。



楠浦 拝



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2020年5月1日金曜日

「塾長」の最後の役割は「心理的安全性」を担保する「警官」役~10年を振り返り、11年目をスタート(発明塾第555回/第556回/第557回/第558回/第559回/第560回/第561回/第562回

3月26日、および、4月5日、9日、12日、16日、19日、23日、30日の開催報告になります。

楠浦は直接参加していませんが、討議ログは(一部)見ている、という状況です。

にもかかわらず、新たに参加したメンバーも、

「とても良い発明」

を出しています。


弊害として、

「発明塾の考え方をよく理解していない人が、議論をかき乱す」

という事象も出ていますが、そこは、僕の責任で迅速かつ厳格に対応しています。

僕が一番嫌いな

「不毛な議論」

には、今後も迅速に対応します。


これは、僕に残された、

「塾長」

としての、最後の役割だと認識しています。
(「心理的安全性」を担保する「警察」の役割)


僕が参加しない形式での運営は、次のステップへの準備のためであることは、以前にどこかに書いた通りです。

次のステップが何か、については、タイミングを計っているところですが、おそらく近々発表できると思います。

1年ほどかけて準備してきたことですので、特に大騒ぎはしません。

皆さんご存知の通り、これが、僕のスタイルです。
(中身のないアピール、PRをしない)

中身がない段階での注目は

「害でしかない」

というのが、僕が前職で学んだことです。
(周りが騒がしくなり、中身に集中できなくなります)


ちなみに、3月の中旬ごろに、11年目に突入していますので、一見、5月1日は節目でも何でもありませんが、後々

「今日(正確には昨日)が、節目だったんだ」

ということは、OBOGには見えてくると思いますので、またその時に。


とにかく僕は、中身のない大騒ぎ(こういうこと始めました!でも中身はない!)が、とても嫌いなんです。

ある種の企業の経営には必要かもしれませんが、僕には、人生の無駄でしかないと思えてしまうからです。



「最高の脳で働く」
原書読んでましたが、復習兼ねて日本語訳を購入。
いつも言ってることが書いてあります。
なら買う必要ないか・・・。


●「発明塾」@東京

先行して開催していた東京のもっとも古い記事を、以下に掲載しておきます。

発明塾@東京 第11回開催報告
https://edison-univ.blogspot.com/2010/06/

場所や時間の制約があり、また、当時は3G回線ということで、僕がWIFI端末を3台ぐらい持ち歩いてた時期ですね。歩くWIFIステーションでした。懐かしい・・・

参加期間が短い人が多いのが東京の特徴ですが、であるにもかかわらず、当時の参加者とは、いまでも(意外に)繋がっており、

「そういうもの」

だということを感じます。所属(参加)期間が短かった方も、今後も、遠慮なく声掛けください。

今後、OBOG会活動に、ある程度の資源を配分していく予定です。


●「発明塾」@京都

発明塾=京都、というイメージが強いですが、それは僕が、そうしてきただけの話です。

当時、立命館大学のMOT講義の非常勤を担当しており、また、京都大学でもいくつか講義を持っていたので、(東京に住んでいるにもかかわらず)京都を軸に活動する方が、いろいろやりやすかった、ということです。

もちろん、僕の母校である 学校法人立命館 および 京都大学 の方々のご理解ご支援によるところも大きく、改めて、関係者の皆様に感謝申し上げます。

母校出身者の

「発明家」(というか、変な人)

ということで、学生さんも温かい目で見守ってくれた、ということもあると思います。

参加した学生さんはもちろん、少しでも興味を持ってくれた皆さんに、本当に感謝しております。

京都に関しては、既に名前が出ている人でいうと、Sugano さん、Ozuka さん、Yasutomi さんが、積極的に引っ張ってくれましたが、名前を出していない長期在籍の塾生さんも、みな等しく貢献してくれたと感じています。名前が出ない方が平穏な人生が送れますから、出しません。50ぐらいになったら、僕の言ってることがわかると思います。

京都の初回は、以下ですね。

(発明塾@京都 第1回開催報告)
https://edison-univ.blogspot.com/2010/07/1.html



その後、オンラインに移行し、京都や東京という

「地域」

の区別は意味をなくしました。当り前です。

発明塾は

「世界の頭脳をつなぐ」

ための仕組みだからです。

僕が

「世界中の発明家と一緒に発明をしてきた」

という経験を、皆さんが

「より進化した形で」

味わい、利用し、結果を出すように、していきます。

一歩一歩、着実に。


楠浦 拝



P.S.
ということを書いていると、恩師から電話が!
以下記事の先生です。

(恩師の叙勲を機に「弾性力学」「破壊力学」を振り返る~井上先生おめでとうございます!)
https://note.com/kusuura/n/nd91fed4da181

どうやって見つけていただいたか不明ですが、見ましたよ!というメールを、昨日頂いておりました。

もう80になられたとのことですが、お声を拝聴する限り、まだまだお元気そうでした。



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2020年3月23日月曜日

「道具」に溺れない~「実践」を通じ「道具を使う知」を得る(発明塾第551回/第552回/第553回/第554回)

今回は、3月12日、15日、19日、22日開催分の報告です。
(22日のみ、出席しました)


OBメンバーのコメントに

「推敲」

とありましたので、関連するエピソードとともに、参考になる考え方を紹介しておきます。


● 討議の「振り返り」を徹底する

自身で、発明提案書を何度読み直しても、ブラッシュアップできる余地は知れています。

持ち込み、指摘を受けた点や、新たに得られた情報とアイデアを、追記していくことでのみ、発明と提案を

「育てて」

いくことができます。


これは、例えば僕の場合、(大学受験の)予備校時代に

「テストは、専用のノートに貼り付け、何をどう間違えたか、そして、何をどう考えると正しい答えにたどり着けるのか、自身で繰り返し考え、詳細に書き出す」

ことを推奨されていました。テストの場合、正しい答えはあるのですが、

「そこにたどり着く道筋」

は、必ずしも唯一ではありません。
(数学の証明問題でいう「別解」の存在)

そういうものを、振り返りの中で多面的に探究し、

「ロバストな方法」

を身につけていくことが、その予備校では推奨されていました。


「指摘を受けた点を直す」

だけでなく、

「そこでなされた会話」
「その指摘(アイデア)をくれた人の思考回路」
「それ以前の自身の思考回路」

を振り返り、推測し、書きとめ(書き出し)、確認し、再現し、身につけていくことが重要です。

「リフレクティング・プロセス」
精神科医療の現場で用いられている理論や手法は
創造性開発に非常に相性が良いと感じます。
理由はわかりません。



● 「技術」(テクニック/公式/手法/理論)を、「当てはめる」という考え方をやめる

発想法的なものを含む、発明塾の手法を

「表面的」

に理解(?)した人の多くは

「手法に溺れ」

失敗し、挫折していきます。


重要なのは、そのようなテクニック/公式/手法/理論、つまり、

「道具」



「当てはめて」

進めようとするのではなく、

「当てはめた結果どうだったか」

を観察し、フィードバックサイクルを回すことです。


それによって

「どう、用いればよいか」

という、

「道具を使う知」

が得られます。


その道具を

「上手く用いている人」



「思考回路をリバる」

のも、同じことです。


「ほかの人のアイデア(情報)」

自体より、その背後にある

「思考回路」

つまり

「道具を用いる知」

の方が、重要です。


プロになる、そして

「結果を出せる人になる」

とは、そういうことです。

「発想法に詳しい」
「特許に詳しい」
「発明塾の方法を知っている」

ということでは、ありません。



楠浦 拝




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