「発明塾®」へようこそ!: 1月 2020

2020年1月25日土曜日

「なぜ」「どのようにして」その発明/アイデアは生まれたのか?~発明塾第534回/第535回/第536回/第537回/第538回/@京都新年会ご報告

1月9日、12日、16日、19日、23日の振り返りというか、備忘録です。
22日の@京都新年会の報告も兼ねます。

楠浦、原則として参加していませんが、この間、19日だけ参加しました。
ご無沙汰していたOBさんが一名、持ち込みがあるということで、交通整理(?)兼ねて参加しました。

例によって、内容のディテールには触れられませんので、直近気づいたことなどで、特に伝えておきたいことを、メモしておきます。


● 「なぜそのアイデアが生まれたか」に注目する~What より How と Why

塾生さんの多くは、僕が

「Why」

つまり

「なぜ」

を多用することに気づいているでしょう。


それが自身の持ち込みアイデアであれ、エッジ情報であれ、なんであれ

「どういうものか」

ということ以上に

「なぜ、そのアイデアが出てきたのか/出てきたと思われるのか(課題、目的、理由)」

および

「どのようにして、出てきたのか/出てきたと思われるのか(経緯、背景、流れ)」

を、常に、明らかにしながら進めることです。


当初は

「面倒だな」

と思うでしょうが。

僕が、討議の

「振り返り」

を重視するのも、同じことです。


残念ながら、多くの人は重視しませんが、それが

「僕と、皆さんの差」

を生み出していると、僕は感じています。

「理解」

とは、そういうことです。


「完全な理解の積み重ね」

の上に、進歩があります。

「不完全な理解の積み重ね」

は、

「崩壊」

につながります。
(建築物と同じです)


「MELU」は、何度も見たいドキュメンタリーでした。
「造形思考」は、「線」を線としてみるのでは見る、
「点」の移動の結果として見る、というのが
まさにその通り、と感じたのであげておきます。
(必須図書ではありません)


● 「基本」を大切に~例えば「7つの習慣」/22日@京都新年会ご報告

22日は、しばしご無沙汰しているOB交え、@京都新年会を行いました。

もっとも、発明塾は、既に完全オンライン化しているため、@京都という表現はふさわしくないですが・・・便宜上ということで。

OB、つまり、社会人ばかりでしたので、起業やキャリアに関する話題になりました。

詳細は、各自から相談なり報告が、FBのGrなどにあるとおもいますので、割愛します。


僕が感じたのは、

「一通り苦労すると、基本が大事ということがわかる」

んだろうな、ということです。

基本とは、そもそもそういうものなんだと思います。

「上に行こうとして、土台が堅牢でないこと(なかったこと)に気づく」

ものなんでしょう。


OBの一人が、

「最近、7つの習慣を読み直してるんですけど・・・」

と言っていました。

30才になる少し前ぐらいから、僕が毎日のように読んできた本の一つです。
(他に、マズロー「完全なる経営」、セネカ「人生の短さについて」が該当)

7つの習慣については、オーディオブックがあり、いまでも重宝しています。

僕は、英語版を聞いています、大学時代に英語(英文和訳・和文英訳)を教えていたせいか、日本語訳に違和感があると、原文がめちゃくちゃ気になるのです・・・笑

まぁ、説教(?)してどうなるわけでもないですし、皆さんの人生なので、僕がこうしている、ということでとどめておきます。

話しが聞きたい人は、お会いした時に話題を振ってください。



楠浦 拝



=======
✔ 「発明塾講義」配信希望の方は、こちらをご覧下さい。
(楠浦からのレターが、無料で週に1‐3回届く、とお考え下さい)

✔ 入塾・見学希望の方は、こちらを御覧ください。
✔ 運営元 TechnoProducer株式会社 へのお問い合わせは、こちらへお願いいたします。


2020年1月4日土曜日

情報の「読み方」~常に仮説を立て、検証・改訂しながら「探し」「読み」進める(第522回/523回/リアルイベント)

2019年12月22日、26日開催分と、2020年1月3日のイベントの振り返りです。

(要するに備忘録です)


1月から、新しいテーマでの討議を始めることになるかと思います。
3か月でアウトプットする、を繰り返して、レベルアップしていきましょう。

上記の討議前後に、参加者から質問があったことについて、補足を記載しておきます。


● 情報は、常に「仮説」「仮設」を立て、検証しながら読み進む

発明塾で

「仮説検索」

という言葉を使いますが、これは、

「ネット検索」
「特許検索」

の際だけの話ではありません。


それらを

「読む」

時も、思考回路は同じです。

というか、特許文献一つひとつの中に

「何がどう書かれているか」

について、仮説を立てて探すわけですから、それらを

「読む」

時も、同じになるのは、当り前だと言えるでしょう。
(特許を探して終わりではなく、そこに書かれている内容をどう読み解くか、が肝だから)


キーワードをハイライトしながら読む、など、

「特許調査」

を大量に経験した際に身についたテクニックも、紹介しました。

余談ですが、参加者が、仮説検証を行いながら読み進める必要があることに気づいたのは、以下メルマガの内容を読んで、ということだそうです。



上記では、請求項に使われている用語から

「仮説」

を立て、それを確認するために、明細書を読み進める形式をとっています。


たまに、

「技術内容を理解するだけなら、請求項は読まなくてよい」

という説明を耳にすることがありますが、半分あたりで、半分外れですね。

その辺は、

「3Mの手ごわい特許を読み解いた」

経験を盛り込んだ、以下の講座でも取りあげています。




ポリヤの本は、
でも、取りあげました。



● 「何がオモロいか」を、徹底的に言語化する

1月3日は、新年会を兼ねたイベントとして、以下展示会に参加しました。


個人的には、めちゃくちゃ楽しめましたので、楠浦のメルマガが好きな方は、是非参加されるとよいかと。


さて、展示会参加後、

「どれが、オモロかった?」

と、みなさんに聞きました。

ここで大事なのは、

「何がオモロかったか」

ではなく、

「なぜオモロかったか」


「どこまで言語化できるか」

です。
(理由すらどうでもよく、それをどこまで言語化するかが大事)


私が目を付けた(つまり、オモロいと感じた)のは、以下の二つです。


リンク先の情報だけでは分かりづらいのですが、以下のように、

「緑との共生」

を一つの目的にしていると考えると、非常にわかりやすいコンセプトです。


多孔質化して、

「表面積を増やす」

ことで、緑化率は劇的に向上します。

「自給自足」
「地産地消」
「非常にロ―カルな炭素循環」

という視点で読み解いてみたら、という話をしました。


もう一つは、時間の関係で取りあげませんでした。


リンク先のトップ画像の右奥の方に、同じようなコンセプトの服がつられています。


売ってたら欲しいなーこれ、という感じで見てましたが、映像解説を見て

「ウエアラブルデバイス x レゴ」

という視点があることに気づかされました。

センサーを含むファブリックを、レゴのように組み立てていって、

「目的とする機能」
「着る人に合わせた形状」

を合わせ持つ衣服を作っていく、そういう時代がそこまで来ているんだなと。
(私の解釈です)


ここまできて、お分かりだと思いますが、これ、

「新たな仮説を立て、自己満足で面白がってる」

にすぎないわけです。

しかし、それを徹底的に言語化することは、発明の第一歩です。

ありえると感じるから、オモロいと思う。

目の前の情報がなければ思い至らなかった、

「ありえる仮説」

を思い付いたことに興奮し、面白がってる自分、がそこにいます。

これは

「仮説を立てて、情報を読む」

話と表裏になってます。


そして

「なぜ、あり得ると思うのか」

この

「あり得る」

を言語化します。

「実現可能性」
「ニーズ・社会の流れ」

両方の側面が、あるはずです。

どちらかがつかめれば、上出来です。

でも、出来れば両方、掴んでおきたい。


明示されてないものを見て、それを状況証拠で確認する。

明示されてない時点で、そもそも状況証拠ですが、、、。

状況証拠から仮説を得て、別の状況証拠で確認していく。

そこに、ありえるけど、明示されてないものを見る。

エッジ情報から発明へ、は、このようにして進んでいきます。

今回のイベントでも、確認できましたね。



楠浦 拝



=======
✔ 「発明塾講義」配信希望の方は、こちらをご覧下さい。
(楠浦からのレターが、無料で週に1‐3回届く、とお考え下さい)

✔ 入塾・見学希望の方は、こちらを御覧ください。
✔ 運営元 TechnoProducer株式会社 へのお問い合わせは、こちらへお願いいたします。

2020年1月3日金曜日

京都大学「ものつくり講義2019」学生さんのレポートを拝見して ~ 「SDGs」に取り組む

2020年が始まりました、本年も宜しくお願い致します。

さて、僕は年末年始も普段と変わらない生活をしておりました。ちょうど、2019年の「ものつくり講義」のレポートが届きましたので、いつも通り読みふけっていました。
(この出だしも、いつも通りです 笑)

いつも通り、簡単なご報告を。

講義の締めは、いつもと同じメッセージでしたが、レポートを見る限り、いつもより響いたようでした。これは、後述しますが、講義時にはわかりませんでした。




● 講義時の所感

一部内容は、以下で報告させていただきました。

note)「関わるすべての人を幸せに」する仕組みが「ビジネスモデル」
「京都大学ものつくり講義2019」ご報告 ~ 「挑戦」とは何か

例年通りかな、と感じていました。しかしながら、レポートを読むと

「例年とは、かなり違う」

ことがわかりました。レポートって大事ですね。

会って話したからといって、何がわかるわけでもない、というよい例でした。

終了後質問に来る学生さんも、例年より少ないぐらいでしたので、あまり関心がないのかなぁと思いました。

が、その予想は裏切られました。


● レポートの所感(全体的な印象)

まず第一に、2019年の学生さんの特徴として

こういう面白いアイデアを考えたんだけど、企画化できないでしょうか

というコメントを下さった方が、数名おられたこと、があります。

過去、10年ほどやってますが、1名しかおられなかったのですが、、、。

積極性というか、何なのか。

何かが違う、のは間違いなさそうです。

推薦図書を読みました

というコメントも、いつもより多かったですし、

楠浦が、本をかなり読んでいること

について、言及したレポートが目につきました。
(やっぱり、本を読まないとダメだな、とか、そういう感想も含め)

2019年の2回生から、何かが変わったんでしょうね。


「設計のナレッジマネジメント」「人を動かす」
いずれも、講義で紹介しました。
何名かの方が、読んだ、あるいは、読みたいとのことでした。


● レポートに記載されたアイデアについて(具体的内容は伏せる)

選んでいただいたエッジ情報、および、考えていただいたアイデアの中には、非常にオモロいモノが、たくさんありました。特に具体性は求めておりませんでしたが、かなり具体的に書いてくれた学生さんも、おられました。

頼もしい限りです。

今回のお題は、SDGs関連でした。




講義中に紹介したエッジ情報も、SDGsに紐づけ、分類して紹介しました。

過去は、

「医療」
「VR」
「農業」

のように、ある一つの産業分野や技術分野にしていましたが、今年は、その

「上位」

の概念として、SDGsの中から、取り組みたいことを選んで、課題を捜し、解決する方法を考えてもらう形式にしました。

もちろん

「エッジ情報」

を見つけてもらって、になります。

紹介したエッジ情報は、ほぼすべて、過去にメルマガで配信したものです。

分かりづらいものについては、一部、前置きとして、そして、楠浦の個人的見解として、説明を付けました。




過去、楠浦は細胞培養デバイスの新規事業立ち上げを、企画段階からどっぷりやっていますので、その時のエピソードも、少しお話しました。


● 「講義の感想」について

皆さんがレポートに記載されたものの中から、いくつか紹介しておきます。

元気と勢いがある人だった
→ それだけが取り柄かもしれませんしね(笑

父親が、楠浦さんのセミナーを聞いたことがある、と言っていた
→ 珍しいですが、こういう例は増えるんでしょうね。親子の会話のネタにしていただければ嬉しいです!

個性を活かす、に共感
→ 今年は、これが非常に多かったです。

自分が漠然と思っていたことを、言葉 にしてくれた人
→ これ、企業の方からよくいただく感想の一つです。

縁を大事にして、オモロい仕事をしようと思った
→ メッセージは伝わったようで、よかったです。オモロい仕事、しましょうね!

在宅が既に当たり前になっている、に驚いた
→ 世界中で、当たり前になりつつあります。弊社では、12年以上前から、当たり前にしてきました。

生き方は人それぞれ、目の前のことに一つひとつしっかり向きあえば、自然に道は開けると感じた
→ 僕のキャリアから、そういうことを感じ取ってくれたのであれば、よかったなぁと思います。まさに、目の前のことに一つひとつ、向き合ってきた結果、今があるからです。

こういうアイデアを企画にしたい、どうすればよいか
→ これ、個別にご連絡を差し上げています。


来年も、大変楽しみです。

アレンジいただいている先生方のご厚意に、大変感謝申し上げます。

まさに、

「ご縁」

です。

過去の京都大学での講義については、こちらでご報告差し上げております


楠浦 拝



=======
✔ 「発明塾講義」配信希望の方は、こちらをご覧下さい。
(楠浦からのレターが、無料で週に1‐3回届く、とお考え下さい)

✔ 入塾・見学希望の方は、こちらを御覧ください。
✔ 運営元 TechnoProducer株式会社 へのお問い合わせは、こちらへお願いいたします。