「発明塾®」へようこそ!: 発明塾京都第146回開催報告~「他を活かす」

2013年9月13日金曜日

発明塾京都第146回開催報告~「他を活かす」

今回も、各自のアイデアを討議し、併せて、「発明塾式」発想法の重要な部分を占める、「知財戦略/標準化戦略」の考え方について、復習しました。

繰り返しですが、「知財」の知識無しに発明をすることは、「単なるアイデアの垂れ流し」以外の何物でもありません。保護されない発明を創出(?)することは、無意味というよりは時間の無駄で、「有害」です。


また、今回から一名、一度挫折した塾生さんが復活してくれました。本人が「なぜ挫折したか」を判っていることが重要ですし、それがわかっていれば、少なくとも同じ事態を避けられる可能性は、高いと思っています。

発明塾を通じて僕自身も学び、また、塾生に学んで欲しいことの一つに「他を活かす」こと、があります。

「他を活かすことが、自分が生きる道である」

ということです。これは、僕が取り組んでいる「教育」という職業もそうですし、「経営」もそうですが、おそらく、あらゆる活動についてまわることだと思っています。

「他人の活躍と幸せを、自分の幸せに出来るかどうか」

これが、僕が塾生に求めていることです。自分が発明が出来るようになるためには、討議してくれるメンバーが必要だからです。そのためには、「相手も、自分と共に発明が出来るようになる」必要があり、むしろ「相手の発明を手伝う」ことから、学ぶ必要があるのです。

「自分に出来る事は何か」
「相手が出来ている事は何か、足りない部分はなにか」
「それを、自分はどう補完することが出来るのか、出来ないのか」
「出来ないなら、あと、誰に手伝ってもらえれば良いのか」

発明塾では、このようにして発明討議を進めていくことを、指導しています。これは、ちょっとビジネス書をかじったぐらいの学生や、チャラくて薄っぺらい社会人がよく言う、

「あなた/あなたの会社にしか出来ない事は何か」
「あなた/あなたの会社の独自性は何ですか」

という議論とは、似て非なる。むしろ、対局にあると言っても良い。


前者は、

「総ての存在は、存在固有的に不完全であり、それを組み合わせ/補い合うことが、重要である」
「自分の欠点を、補う存在が重要である」

という姿勢であるが、後者は、

「自分は完璧である。あなたには何が出来るのか。あなたにしか出来ないことが無いなら、価値を認めない」

という、姿勢である。


僕が、「経営」という仕事が面白いと思う理由は、発明と同じで、「組み合わせの妙」があるからだ。「他を活かす」ための工夫。自分を活かす相手は誰か、その相手を活かすにはどうするか、この組み合わせを強化出来る次の人材は、一体どこにいるのか。

それが経営である。


そして、

「未だ見つけられていない組み合わせで、技術に新たな価値を見出す」

のが、発明である。


それは、薄っぺらい「ビジネス書的勉強」/「ビジネスプランコンテスト合宿的」付け焼き刃、では得られない。

中途半端な活動は、むしろ害にしかならない。やるなら、徹底的にやること。

復活した塾生の「勇気と覚悟」に、エールを送りたい。でも、もう後はない。


がんばれ!